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藤沢周平さんの作品に「隠し剣」シリーズ

 藤沢周平さんの作品に「隠し剣」シリーズがある。その中の一編「盲目剣谺(こだま)返し」が山田洋次監督、木村拓哉主演の映画「武士の一分」の原作にもなっているので、知っている方も多いかと思う。筆者お気に入りの一つは「酒乱剣石割り」▼門弟が二人、竹刀を構えて向い合っていた。対峙してから四半刻ぐらい経っている。それでいてまだ決着がついていないのは、技倆伯仲の証拠だった▼という書き出し。対峙している門弟の一人は弓削甚六。竹刀では負けるが、真剣では「石割り」という隠し剣を会得している。ただ、飲んだくれという難点がある。そんな甚六が、家老から討手を命じられた▼ところが、いざ迎え撃つというとき、恐怖にかられてしまった。体が石のように硬くなる。でも、逃げだすわけにはいかない。我慢できず、家老に厳禁されていた酒に手を伸ばし、一気に喉に流し込んだ。すると、体がほぐれ、秘剣がさく裂、事を成し遂げるのであった▼このシリーズのおもしろいところは、主人公が一癖も二癖もある個性の持ち主である点だ。個性は、人から欠点とみられがちだが、そうではない。読んでいると、気が楽になる▼それぞれが個性を持っている。そんな人が普通にいるのが学校であり、職場であり、社会である。(比嘉盛友)

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