八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

「沈黙の時代」「証言の時代」「風化の時代」

 「沈黙の時代」「証言の時代」「風化の時代」▼第2回潮平正道デッサン展を取材した際、主催する団体の一つ、八重山戦争マラリアを語り継ぐ会会長の玉城功一さん(81)が語ってくれた、戦争体験の継承をめぐるキーワードだ▼沈黙の時代は、戦後から復帰までの間を指す。いとしい家族をマラリアその他で失った遺族にとって、その体験は思い出したくないもの。記憶の底にとどめたい。だから沈黙する。その後もつらい過去を一人背負い、墓場まで持っていった体験者は少なくないだろう▼証言の時代は復帰以降。県史で戦時記録を編さんする際、生まれ島の波照間島で教員をしていた玉城さんは、家族で唯一生き残った住民に証言を依頼した。当初は固辞されたが、応じてくれた。これら証言がきっかけで「もうひとつの沖縄戦」などとして戦争マラリアが知られるようになった▼風化の時代はいま現在である。沈黙の時代に生まれ育った世代が、両親あるいは祖父母から魂をつなぐような話を聞いていないことに起因している、と玉城さんは分析する。特に戦後の困窮も知らない1970年生まれの筆者らの世代が典型だろう▼職業柄、体験者の話を聞いたり、戦跡を巡ったりする。もしそうでなかったら、と思うと心もとない。われらの世代こそ…。(比嘉盛友)

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム