八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

西表の診療所、輪番制に 国の働き方改革に対応

今月16日から輪番制で平日夜間の急患対応実施について説明する八重山病院関係者ら=4日午後、干立公民館

今月16日から輪番制で平日夜間の急患対応実施について説明する八重山病院関係者ら=4日午後、干立公民館

平日夜間の急患対応 医師同乗せず搬送に不安も

 【西表】県立八重山病院付属大原診療所と西表西部診療所の平日夜間(午後5時~翌日午前8時半)の救急患者対応は、16日から両診療所の輪番制で実施されることになった。原則、月~水曜日は大原、木・金曜日は西部が対応。土日祝日は従来通り急患のみ対応。輪番制導入の背景に、医師や看護師の過重労働対策や政府の進める「医師の働き方改革」がある。医師らの負担軽減に理解を示す住民がいる一方、消防分団からは医師が急患搬送車両に同乗せず約1時間かけての搬送に不安の声も出ている。

 同院と竹富町は4日、離島総合センターと干立公民館で住民説明会を開いた。

 診療所には医師、看護師が1人ずつ配置され、平日午前8時半~午後5時までが勤務時間となっている。同院によると、本来、時間外対応に関して待機義務はなく手当も発生しないため、医師や看護師の善意で時間外診療は成り立っているという。

 時間外診療件数は大原で年間200~250件、西部300~350件。多い時は一日8件におよぶこともある。

 地域診療科の酒井達也医師は現状が続くことで「離島診療所勤務を希望する医師が減り、このままの状態だと医師が配置できず休診に追い込まれることも予想される」と懸念。同院の医師や看護師が少ない中、代診の派遣も地域医療を守る観点から何とか行っている状況も説明した。

 篠﨑裕子院長は「働き方改革で休みを必ず取らせたり、時間外の勤務を減らすなど国から通達がある。医師と看護師を守るためにも、協力をお願いしたい」と求めた。

 東部の説明会に参加した女性は「東部の医師が当番の際、重症の急患が西部で発生したらどうするのか」と質問。酒井医師は「緊急性が高いと予想される患者に対しては輪番制ではなく、この場合、当番でない西部の医師が診れる仕組みも考えている」とし、「ただ、乱用されては困る」とあくまで例外との認識を示した。

 別の参加者は「各地区の消防分団、公民館、診療所医師、竹富町担当者、八重山病院の医師が定期的に会合を開き情報共有の場をもってほしい」と要望。

 説明を聞いた男性(68)=大富=は「先生を複数体制に増やすにも確保が難しいと言っているが、いつも住民に相談なしで決めている」と不満をあらわにした。

 西部地区の説明会では、観光客増が引き起こすであろう時間外診療で医師や分団員の負担を心配し、町の対応へ指摘があったほか、コンビニ受診を控えるため効果的な観光客への周知方法について意見も出た。

 分団員の一人から救急救命士資格のない消防団が医師も同乗しない車両で、西部から東部まで1時間かけての搬送に「不安を感じる。対応の判断を下す医師からのアドバイス体制を整えてほしい」と声が上がり、酒井医師は「輪番制を走らせ課題が出てくると思うので、話し合って乗り越える必要がある」と答えた。

  • タグ: 離島診療所働き方改革
  • ※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

    関連するニュース

    • 関連するニュースはありません。

    ページ移動

    キーワード検索フォーム