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「感謝の気持ちでいっぱい」 天皇退位

石垣市織物事業協同組合の松竹期生子理事長(左)の案内で新垣幸子さんによる八重山上布の実演をご覧になる天皇、皇后両陛下=2004年1月26日

石垣市織物事業協同組合の松竹期生子理事長(左)の案内で新垣幸子さんによる八重山上布の実演をご覧になる天皇、皇后両陛下=2004年1月26日

与那国島でカジキをご覧になられる天皇、皇后両陛下=2018年3月28日午後、与那国町

八重山訪問でゆかりの住民ら

 4月30日に退位された天皇陛下は、皇后陛下とともに2004年1月に石垣市、18年3月に与那国町と2度、八重山を訪問された。島の景勝地を訪れ、地元住民らの案内で伝統工芸や文化、産業をご覧になった。実際に両陛下の案内役を担当した住民らは、当時を思い返し「感謝の気持ちでいっぱい」、「仕事や生活の励みになっている」と感慨深げに話した。

 04年1月26日、現八重山合同庁舎で八重山ミンサーと八重山上布をご覧になった両陛下。現代の名工の認定を受けている新絹枝さん(93)=登野城=、県指定無形文化財技能保持者認定の新垣幸子さん(73)=同=が伝統の技を実演した。

 わずか数十㌢の距離で両陛下と会話した新さんは「皇后さまが美しくまぶしくて感動した」と、うれしそうに振り返った。緊張で目のやり場に困ったが、織物をするための道具「板杼(いたび)」について皇后陛下が「重たいですね。これは何の木ですか」とご質問され、新さんは、黒木であることをお伝えしたという。記憶をたどりながら「織りは沖縄の大事な技術。両陛下の前で実演できたことは最高の幸せ」とほほ笑んだ。

 「天皇陛下のとても優しいお声は、今でもはっきりと覚えている」と話す新垣さん。新垣さんが織った水色の上布に天皇陛下は「涼やかですね」と優しく語りかけたという。「織りがあったから両陛下とお会いすることができた。これからも良い仕事をしようと改めて思う瞬間だった」と感極まった様子。

 当時、石垣市織物事業協同組合理事長として、両陛下の案内役を担った松竹喜生子さん(61)=白保=は「天皇陛下から『八重山の織物のために頑張ってください』と直接お声を掛けていただき涙が出るほど感動した。周りからうらやましがられ、貴重な財産になった」と話した。

 18年3月の与那国町訪問の際に、天皇皇后両陛下をご案内した外間守吉与那国町長は、西崎では、両陛下から「ここが本当に最西端ですか」という質問が何度かあったことを明かし、「両陛下も日本最西端の地には特別な感慨があったのだと思う」と話した。

 また陛下から「与那国島を守ってほしい」と声をかけられたことも印象的だったという。

 与那国漁協の組合長として特産のカジキについて説明をした嵩西茂則氏は、歓迎の横断幕を掲げる組合員と仲買人のもとへ皇后陛下が歩まれた際、床も滑るのにと思わぬ光景に驚いたという。また、陛下は「大きな角があり大変危険でしょう」などと漁師のことまで気にかけてくださり庶民に寄り添ってくれる印象を受けたという。

 久部良小学校で伝統芸能の「棒踊り」をご覧になるのを案内した与那国伝統芸能伝承保存会の田頭政英副会長は、打ち合わせより早く始まるハプニングがあったことや皇后さまの質問に思わず耳に手を当てて聞き直してしまったことに触れ「非常に失礼なことをしたと動揺した。その後のことは、あまり覚えていない。両陛下は大変親しみのある穏やかな人柄だった」と、当時を振り返った。

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