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平得大俣 市民生活に重要な場所

フロアの市民と意見を交わすパネリスト(右)ら=27日夜、石垣市健康福祉センター検診ホール

フロアの市民と意見を交わすパネリスト(右)ら=27日夜、石垣市健康福祉センター検診ホール

陸自配備自然環境シンポ 地下水の汚染を危惧 研究者が生態系保全訴え

 陸上自衛隊配備計画をめぐり、一部で造成工事が行われている石垣市平得大俣の自然環境とくらしを考えるシンポジウム(石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会主催)が27日夜、石垣市健康福祉センターで行われた。地元の研究者らが各分野でこれまで観察・調査してきた結果などを基に、自然環境と暮らしに平得大俣が重要な場所になっていると強調。防衛省が環境影響評価を実施しないことに「不都合な真実を市民に知られたくないからだ」との指摘もあった。

 約150人が参加。パネリストは地形・地質、水環境、植物、動物、鳥、環境アセスの分野についてデータを紹介しながら意見を述べた。

 このうち水文研究者の東田盛善氏は洗浄剤や泡消火剤に利用される有機フッ素化合物を懸念材料に挙げ、「予定地は地下水の涵養(かんよう)域。地下水が汚染されると、回復はいつになるか分からない」と危惧した。

 石垣島野鳥の会事務局長の小林孝氏は、3月までの調査で防衛省が営巣木はないと判断した根拠に▽エサを運んでいる行動が確認されなかったことを挙げていることに「この時点では交尾の時期。その程度の調査だ」と批判。「カンムリワシはテリトリーを追われると他に行く場所がない」と語りかけた。

 名蔵アンパルの会事務局の山崎雅毅氏は「環境アセスを実施すれば国や市にとって不都合な真実が次々に暴き出されることは間違いない。これを知られたくないから工事を進めている」と断じ、「唯一保全方法があるとすれば、市有地を売らないという選択だ」とした。

 名蔵アンパルの自然を守る会会長の島村賢正氏は「生態系の頂点にいるカンムリワシを支えているのは小さな小動物や植物。平得大俣には自然の林、二次林、池、川、湿地、牧草地など多様な環境にあるからこそ小動物がいる。水も地下に蓄えている。大切なところをしっかり残していかなければならないのではないか」と呼び掛けた。

 石垣島エコツーリズム協会長の谷崎樹生氏は真栄里山(嵩田山)と周辺地形の成り立ちを説明した上で「地下構造は複雑で音波探査だけで分かるものではない」と防衛局の調査を疑問視。同会事務局長の青木康夫氏は「この場所を守らないと、私たちに跳ね返ってくる」と警鐘を鳴らした。

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