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「宮古島バブル」を考える

無縁ではない八重山

 お隣の宮古島がバブルの大波に洗われている。観光客やクルーズ船の来航急増、陸自駐屯地などの公共工事、ホテルや賃貸住宅建築をはじめとする建築ラッシュ。

 人手不足に住宅不足も加わり、経済は活況を超えた異常な状況にある。当然八重山経済も無縁ではない。県紙や地元紙などの報道から考える。

 ■下地島空港開港が拍車

 「宮古島バブル」と呼ばれる要因は、先月末開業したみやこ下地島空港ターミナルにある。さらにさかのぼれば伊良部大橋の開通にある。

 陸続きとなった利便性に加え、パイロット訓練専用飛行場だった下地島空港を県が民間空港として利活用を図るべく計画。

 三菱地所がLCC国際線や国内線、プライベートジェット利用の空港として経営を受託し開業にこぎつけた。2020年に受け入れ客数30万人を目指す。

 大橋開通後、伊良部島や宮古島の海岸線では土地買い占めが行われ、さらに下地島空港利活用計画がリゾートホテル建築ラッシュに拍車をかけた。

 手つかずの自然や独特の文化。経済活況はさらに観光客を呼び込む。入域観光客数は大橋開通前年の14年度で43万人。18年度は110万人を超える見通しだ。

 二つの空港に加え、平良港ではクルーズ船に対応する15万㌧バースの整備が進む。受け入れ態勢は大幅に増強される。

 農業と観光の二本柱だった宮古経済は今、急激な構造変化を迫られている。

 ■人手も住宅も不足

 活況の経済を支えるのは、当然人手。建設業界は、作業員の給与を引き上げ、本土や沖縄本島、石垣から呼び込んで対応した。当然、建築単価に大きく反映されるが、それでも建築ラッシュが続くのがバブルの証左。

 ホテルや飲食業従業員も同様。大手の全国チェーン飲食店も次々開業し、雇用の需給バランスが変化した。

 象徴的なのが宮古島市役所の臨時職員欠員。この4月、78人の欠員が生じた。保育士や幼稚園教諭職が最も不足している。

 報道によれば臨時職員の待遇は月14万円程度なのに比べ、ホテルや飲食業では月16~17万円程度。待遇がいい職場に移るのは当然。ただそれは、結果として宿泊費や飲食費の高騰に反映されかねない。 

 住宅不足も深刻な状況。5年前ほどから賃貸物件不足が生じ、空室待ちの状況が続いてきたが需給バランスが完全に崩壊した。

 那覇市の相場を超える物件も出始めたことから本土業者が向こう5年間でアパート200棟、1500室の整備計画を発表するなど異常な状況にある。

 さらに台湾の長栄大学が宮古島分校開校を進め、年間1000人の学生を派遣する計画だ。

 ■八重山も旺盛な需要

 人手も住宅も不足しているのは八重山経済も同様である。経済活況を反映し、2月の有効求人数が過去最多を記録したのが、その証左。

 また、海上保安部の尖閣警備増強を背景としてこの数年間、賃貸住宅が次々建築されてもすぐに満室となる状況が続いている。

 本紙広告欄を見れば求人、住宅双方の需要が見て取れる。

 陸上自衛隊配備も住宅不足の懸念材料のひとつ。全員が駐屯地の宿舎に入居するわけではない。幹部や家族帯同の隊員は市街地の賃貸住宅に住むことが想定される。

 何より懸念されるのは、人手や住宅の不足がサービス単価に反映され、対価高騰に直結すること。好調な観光入域に水をささないか。

 経済の活況は光と影を伴う。お隣のことと高みの見物ではいられない。

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