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令和時代に新しい課題

「安楽死解禁」対応急務に

 新元号が令和に決まった。発表のあった1日はテレビ各局が朝から特番を組むなど列島フィーバーといった感じだった。西暦が染み付いた復帰前世代にはいささか違和感もあるが、祝賀ムードに水を差してもしかたがない。

 ■消える「明治」

 平成を振り返る報道番組を見ていると最近役所に出す書類などの生年月日記入欄から明治が消えたという話があった。「明治は遠くなりにけり」ですねと。調べてみると明治45年生まれの人は106~7歳。消えるのも無理はないのだ。

 ところで「明治は遠くなりにけり」には実は上の句に「降る雪や」が付く。明治生まれの俳人、中村草田男(なかむら・くさたお=1901~83)が昭和6年に作ったという。

 雪が降りしきるなか20年ぶりに母校の小学校付近を訪ねた。昔と変わらない風景に浸りながら着物姿で高げたを履いていた当時を思い出していたら校門から飛び出してきたのは金ボタンの外套(がいとう)を着た児童らだったという。昭和に入って6年時点でもう明治が遠く感じられたというのは意外である。現代の時間の流れの早さは推して知るべしか。

 ■山折さん提言

 平成時代に日本に残された大きな課題は何といっても少子高齢化問題だろう。将来的な人口減との関連で少子化も問題だが、超高齢社会も喫緊の課題である。その高齢化問題との絡みで宗教学者の山折哲雄さんがユニークな提言をしている。

 ことし87歳になるという山折さん。1月に出した新著「ひとりの覚悟」(ポプラ新書)の中で90歳以上の安楽死の解禁など「死の規制緩和」を訴えている(本紙3月27日付4面)。医療や医学の発展で寿命が延びた。人生100年と言われる現代、生きる意味を見いだせないまま命だけが延ばされていると感じる人が増えているという。

 「もし認知症や重い病気にかかったり植物状態になったりしたら、わざわざ延命治療をしてまで生きて人に迷惑をかけたくない」。そう思う人が増えてもしかたない時代になっている。しかし、現在の日本では生命維持装置を取り外すなどの消極的安楽死(尊厳死)は法的に認められているが、薬物投与などによる安楽死(積極的安楽死)は認められていない。

 ■本格的議論を

 回復の見込みがない末期患者が、本人の自発的意思に基づいて、または患者本人が意思表示不可能な場合、親や子、配偶者などの自発的意思に基づいて治療をしない、あるいは延命治療を終了することで結果的に死に至らしめる。これが消極的安楽死だが、医療従事者に刑事責任が生じる場合があるため現場では対応に苦慮しているのが現実という。医療従事者が殺人罪に問われるニュースを目にすることも珍しくない。ましてや積極的安楽死については国会などで本格的議論さえなされていない。

 時代は変わったのに対応が遅れている。山折さんはそう主張している。国全体の医療費の増大で社会保障の破綻も懸念されている。安楽死解禁は人間の尊厳との絡みで令和の時代に持ち越された重要課題ではないか。

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