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リュウキュウマツを目にする機会は…

 リュウキュウマツを目にする機会は台湾でも多い。台北近郊にある国家人権博物館もそのひとつだ▼台湾で戒厳令期を中心に行われた激しい民衆弾圧をテーマにした施設。展示を丁寧に見ていくと、気持ちがずんずん暗くなってしまうような圧倒的な内容なのだが、それとは対照的に構内は開放的でうららかな気分にさせてくれる▼木は人にさまざまな感情を与える。心をいやす木々も、民衆弾圧の被害者にとってはいまわしい景色の一部なのかもしれない▼木が思い起こさせるシーンやその木が象徴する歴史が多岐に渡るという意味で、御嶽も木と分かちがたく結びついた空間だ。李春子編著「八重山の御嶽 自然と文化」(榕樹書林)を読んでいてそう思った。トヨタ財団の助成で研究してきた成果をまとめたもので、八重山の御嶽のなかから60カ所を選び、カラー写真をふんだんに使って木や祭りを紹介している▼編著者の李氏は研究代表者として「御嶽は、厳しい自然環境の中、様々な困難を乗り越えた地域誌の象徴であり、人間社会と深く関わってきたことを物語るように貴重な老木が並ぶ。地域社会と命運を共にする共同体の象徴ともいえよう」と書く▼この本を水先案内役として、御嶽の歴史から自分が暮らしている土地を見詰め直すこともできそうだ。(松田良孝)

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