八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

制度設計に議論尽くせ

県が「観光目的税」導入検討

 沖縄県が「観光目的税」導入を検討している。

 持続可能な魅力あふれる観光地づくりに向けた施策の一環だが、税目が「宿泊税」であるため、ホテル側の負担など業界のコンセンサスや、市町村との役割分担など課題は多い。

 詳細な制度設計には慎重を期すべきであり、それぞれ議論を深める時だ。

 ■新税の概要

 報道された新税の概要は、県内のホテル、旅館、民泊施設を対象に1人1泊あたり宿泊料が2万円未満の場合は200円、2万円以上は500円を徴収する2段階制をとる。

 県民が県内宿泊施設に宿泊した場合も、課税の公平性の観点から対象とするが修学旅行などは免除する。

 観光振興のための新税について、県内観光業者や有識者らで組織する検討委員会(委員長・下地芳郎琉球大学教授)が提言書をまとめ、このほど県に提出した。

 沖縄県の自主財源比率は30%に満たない。各市町村も同様だ。観光入域1000万人を目前に、新たな財源を確保して観光客の利便性、快適性、満足度向上のための施策を展開する必要がある。

 公表された資料によれば、県は宿泊税のほかに、入域税やレンタカー税についても検討している。その結果、「入島税」については伊平屋、伊是名、渡嘉敷村などが先行し「環境協力税」などとして実施していること。

 「レンタカー税」についてもは費用対効果の観点から疑問があることなどから見送られ、「宿泊税」に落ち着いた経緯がある。

 県は新税の税収が年間約51億8000万円になると試算している。新年度から全市町村と宿泊事業者を対象に、宿泊税のあり方について意見交換していくことにしている。

 ■拙速すぎた石垣市環境税

 石垣市でも平成16年、「石垣市環境生活保護条例」として、入域客を対象とした宿泊税が議論されたことがある。議員提案の条例案だったが、観光業界の猛反発に遭い頓挫した。

 観光立市石垣市の魅力を高めるとともに、観光振興に資する費用に充てることが目的。1人1泊1万円未満は200円、以上は300円とするもので特別委員会が設置され、8回の委員会で議論された。

 提案議員本人の提案理由説明がない異例の展開となったが、業界のコンセンサスが得られず、いかにも時期尚早、拙速の感が否めない提案だった。業界とともに将来のあり方を見据えた、じっくりとした議論が必要だ。

 ■今後の展開

 その石垣市は昨年6月議会で「入島税」を導入する方針を固めたと明らかにした。

 県が検討する宿泊税と税目が違うため、重複課税となることは避けられる。航空・海運業界に徴税してもらう方式を検討するようだが、当該業界との議論はできているのだろうか。

 税の公平性の観点から市民も負担義務を負うことになるが、負担感を感じさせない体系となるか。議論すべき点は多い。

 市は、障がい者と高校生以下を除く入域客1人あたり100円の徴収で、1億5000万円以上の税収が見込めると試算している。

 竹富町も自然資産法に基づく「入域料」導入を検討する。

 いずれにせよ、持続可能な観光地とするため、自然環境保全や観光振興のソフト・ハード施策、ごみ処理費用増への対応など、新税を検討する時期にきているのは間違いない。

 観光業界のみならず市民、町民も巻き込んだ議論や仕組み、納得のいく制度設計が求められている。

 新年度にどう取り組むか、注目される。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム