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環境アセスを考える

国は法治主義を守れ

 前勢岳北麓でゴルフ場とホテルなど大規模リゾート施設開発を進める㈱ユニマットプレシャス社が、県環境影響評価条例に基づく環境影響評価方法書を縦覧した。

 一方で、平得大俣に陸上自衛隊駐屯地の整備をめざす沖縄防衛局は、同条例の適用を受けないために改正条例施行直前の今月中に着工する意向だ。

 自然環境の保全に配慮するため、民間企業が法規制や住民意見を反映させながら事業を進める一方で、国が環境アセス逃れを行う。これで法治国家と言えるだろうか。

 環境アセスのあり方を考える。

 ■アセスに3年

 県環境アセスメントは、土地の形状や工作物の新設が環境に著しい影響を与えるおそれのある大規模な事業の実施前に、事業者自らがその事業が環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ調査、予測、評価を実施するもの。

 その上で環境保全の観点から住民や知事、市町村長から意見を聞き、より良い事業計画を作成することを目的としている。

 アセスの手続きは、環境影響「配慮書」、「方法書」、「評価準備書」、「評価書」と進められる。それぞれの段階で縦覧を行い、住民の意見を聞き、必要に応じて住民説明会を開催するなど、環境保全に万全を期す仕組みだ。

 従って手続き完了までに3年もの歳月が必要とされる。大規模開発が周辺環境に及ぼす影響を考えれば、当然の手続きである。

 また、本条例は国の事業も対象とするよう改正され、その施行が今年4月からとなっている。

 ■アンパルへ影響焦点

 7日まで縦覧されたユニマット社事業計画は「方法書」で2段階目になる。第1段階目の「配慮書」の縦覧が17年1月で、すでに2年の歳月をかけている。

 方法書によれば、事業概要はゴルフコース(18ホール、パー72)、付帯施設としてクラブハウス、メンテナンス棟各1棟。宿泊施設はホテル7棟、ヴィラ28棟、一戸建てヴィラ52棟。

 「配慮書」で貯水池とする計画だったウダドゥカーラの沢は、アンパルへの影響を低減し、周辺環境を可能な限り保全するため、実施しないこととしている。

 また、埋蔵文化財のハラツン岡遺跡については、遺跡の範囲が確定されたことから、これを避けてゴルフコースを配置したとしている。意見書提出は21日まで。

 ■懸念多い平得大俣

 では、平得大俣はどうだろうか。前勢岳北麓と違い、事業者の国は一切環境調査を実施せず現況を把握していない。

 防衛局はジュマールガーデンがショートコースのゴルフ場のため、都市計画法の開発許可を得ていたものと誤解していた節がある。

 同ガーデンは当初、釣り堀を備えた庭園だったが、いつの間にかショートコースになった。昨年12月市議会で無許可開発の可能性が指摘され、市当局は県の開発許可がないことを確認した。

 都計法違反だけでなく環境アセスも実施していない疑いも濃厚で、環境調査が一切なされていない可能性が高い。それでは懸念が多すぎる。

 それでもなお、防衛局は同ガーデン用地13㌶を確保し、アセス逃れのための着工を急ぐ。国が法令や県条例の適用を逃れるのは、法治国家としてありえない。道義的責任がある。

 ガーデン所有会社代表は市議会議員。すでに売買したとはいえ、説明責任を何も果たしていない。

 このままでいいわけがない。「防衛」の名のもと着工を急ぎ自然環境を破壊してはならない。

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