1月
18日
2006

八重山でお産ができなくなるtweet!

Category: 社説



6月から産婦人科医2人減員で

■出産は沖縄本島の病院で
県立八重山病院産婦人科は、今年6月から医師体制が従来の4人から2人に減るため、子供を出産する分べん処置は廃止される恐れが出てきた。これは九州大学が派遣してきた2人の医師が5月で任期切れとなるためで、現在八重山病院が後任の医師確保に奔走しているが、全国的に産婦人科医師が不足し、まだ確保のめどはついていないという。八重山では分べんに対応できる民間の産婦人科もないため、このままでは6月以降は沖縄本島まで出向かなければ出産ができないという最悪の事態も十分予想され、八重山郡民は地元で安心して子供が産めないという異常事態あるいは危機的状況に直面している。
八重山病院によると、産婦人科では2003年度は530件の分べんがあり、その5分の1の126件は帝王切開などの異常分べんという。
これに対し医師は、県立中部病院の研修医2人と、99年度から医師を派遣する九州大学からの派遣医2人の4人で対応しているが、そのうちの九州大の派遣医が今年5月末で任期切れになり打ち切られるという。そのため後任が確保できなければ分べん処置は廃止される可能性が高いという。

■異常事態にも危機感薄く
八重山病院の伊江朝次院長は「地元で安心して子供を産めるよう、本庁とも連携して医師確保に全力を挙げているが、全国的に産婦人科医が少ないうえに、しかも中堅の医師は勤務がきつい公立病院から逃げている現状で、現時点では後任のめどはついていない」という。 出産は時間を選ばないし、夜間の救急も多い。しかも八重山の場合、帝王切開などの異常分べんも多いという。それだけに「これからはどこでお産すればいいのか」という住民や妊婦の不安は当然だろう。ましてや八重山は分べんに対応できる民間の産婦人科もない。
そのためこのまま後任が確保できなければ、八重山の妊婦はすべて沖縄本島など郡外の病院に行かざるを得なくなり、航空運賃や入院費などの経済的負担、精神的負担は相当なものといえよう。
特に地元で安心して子供も産めないというのはきわめて異常な事態であり、その地域にとっては危機的状況ともいえるが、「医師不足は毎度のことだし、それまでにどうせ病院側が見つけてくるだろう」ということか、八重山郡民に今のところ表立って危機感は見られない。

■北部地区は総決起大会も開催
沖縄本島の北部病院も昨年4月から産婦人科医が不在となっている。本島住民の場合は陸続きであり、航空運賃を払って海を渡る八重山などの離島住民と違って、本島内で代わりの病院確保は何とか可能といえるが、それでもその北部地区では、12市町村が一体となって総決起大会を開き、「地域で安心して子供を産みたい」と、医師確保を訴えている。
それに対し八重山は病院任せで住民側に危機感は今のところ見られない。
民間病院も発達している沖縄本島などに比べて、離島に住むわたしたち八重山郡民の県立病院に対する依存度は圧倒的に高い。それだけに国や県は離島住民が安心して住めるように、安心して子供が産めるように重点的に医療を確保すべきだ。ところが現状の医師確保は、従来から院長の個人的なツテに頼る部分が多く、院長は人事異動があるたびに医師探しに振り回されているのが現状であり、組織的な医師確保の体制づくりが必要だ。
幸い06年度政府予算案に、離島の医師確保で県と琉大病院、県立病院が連携して調査検討する事業費が計上された。
八重山病院は昨年8月から脳神経外科医も不在であり、毎年のように医師不足に悩まされいる。過去には支庁を中心に3市町・議会、婦人団体、公民館団体などを網羅して医療確保の支援組織があった。わたしたちが安心して暮らせるよういま一度復活して、まず産婦人科医確保で総決起大会を開くなど八重山の拠点病院を地域挙げて支援していく必要がある。

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