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県民投票の権利を奪うな

市議会の否決、中山市長が同調

 ■責任転嫁のシナリオ

 辺野古基地建設にともなう県民投票をめぐり、石垣市の中山義隆市長が去る11日、県民投票不参加を表明した。

 中山市長の従来の政治姿勢や昨年の12月定例市議会からして、予想されていたもので表明は別段、驚くものではない。謝花副知事との話し合いで、市長は県民投票条例への疑問を示しながら、県民投票不参加を自らの判断ではなく、市議会が反対したことを理由に挙げた。

 陸自配備計画や環境アセスメント実施も「国防・外交は国の専権事項」と、自らの判断を避ける姿勢はいつもと同じだ。市議会の反対を理由に議会に責任転嫁したが、これは、自民党衆院議員で弁護士の宮崎政久氏が作成した資料で「県民投票関連予算を議会が否決した場合、地方自治法では、市町村長が予算案を執行するのであって、必ずやらなければならないわけではなく、これに反して市町村長が予算案を執行することは議会軽視であり、不適切である」と記している。シナリオ通りではないか。

 議会で否決された与那国町は外間守吉町長が実施を明言し、糸満市議会は同数で議長が賛成し参加が成立した。

 ■法に基づく判断

 糸満市議会の大田議長は「県民投票条例の良しあしは別として、法なので、法にのっとって判断した。それ以上でも以下でもない」と述べている。正論だろう。

 それに比べ、石垣市議会の県民投票経費否決はいかがなものか。県民投票条例は市町村が独自に条例を制定したり、予算を市町村から捻出するものではない。投票事務を委託するだけ。否決する必要性がどこにあるのか。

 ①知事選で民意は示されており住民投票は無駄遣い②賛成・反対の二者択一では県民の考えが反映されない③普天間飛行場の危険性除去が反映されていない―などを挙げている。

 しかし、条例は県議会で承認されている。

 ■独断と偏見

 中山市長は「間接民主主義を補完する直接民主主義を否定するものではないが、結論として、投票が行われても物事が変わるのか。何も変わらない。

例え辺野古ノーの結論が出ても工事は止まらない。5億5000万を使う投票の有効性には疑問がある」(本紙1月12日付)と述べている。

 「投票が行われても物事が変わるのか」発言は個人の価値観や思想信条を否定し、憲法13条の「生命、自由及び幸福追求」や19条「思想信条の自由」、21条1項の「表現の自由」に反するものだ。

 また、竹富町、与那国町民が県民投票に参加するのに石垣市民ができないというのは法の下の平等に反すると言わざるを得ない。石垣市では12日「県民投票を求める市民の会」を発足させ、14日には市民集会を開催し、市長と議会に抗議や県民投票実施を決議。17日に要請した。

 宜野湾市では市を相手に「投票事務拒否を受けた国家賠償請求」に向けての運動も始まった。やがて、全県的な運動となろう。中山市長は市民の投票権利を奪ってはならない。

 昨年12月に行われた世界平和の鐘設置30年記念式典で中山市長は、17カ国、37人の特命大使らを前に「人類共通の願いは平和を希求する思いである」と述べた。

 日米安保、日米軍事同盟が強化され、新たな軍事基地が建設されることが果たして、全人類共通の平和希求となるのか疑問だ。

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