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迫られる変化への対応

顕在化するLGBT差別

 LGBTー。性的少数者と訳されているようだが、これは直訳ではない。レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字を連ねて総称的に称する言葉である。そのLGBTをめぐる状況がいま注目されている。

 ■来月初の提訴

 NHKなどの報道によると同性同士の結婚が認められていないのは法の下の平等を定めた憲法に違反するとして同性のカップル10組が来月、国に対して集団訴訟を起こすという。

 年明け仕事始めの4日、埼玉県川越市の44歳と40歳の男性カップルが市役所に婚姻届を出したが、受理されなかった。映像で見る限り二人ともヒゲを蓄えた、かっぷくのいい男性同士。10年前から一緒に暮らしており勤務先では配偶者と同様、パートナーとして登録しているという。「この数年で海外も国内も変わってきているのに日本の法律が変わらない。声を上げられない多くの当事者のためにも裁判を通じて訴えたい」と話しているそうだ。

 女性カップルが役所に婚姻届を出して受理されなかった例は2014年にも青森市であったようだが、それを不服として国を訴えるのは今回が初めてのケース。裁判所の判断が注目されているゆえんである。

 ■両性とは何か

 問題の根底にあるのは憲法である。憲法24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と規定している。ここで言う両性とは何かが問題である。「憲法が言う両性とは男と女であり、憲法を改正しない限り同性婚は認められない」という議論と「両性は男女だけではなく女性と女性、男性と男性も含まれると解釈して現行の憲法で同性婚は可能」とする議論。一方で現行憲法の成立過程からして、その趣旨は婚姻がそれまでの封建的な家制度に基づくものではなく両性の「合意のみ」によるという点に主眼がある。同性婚は憲法が想定したものではなく憲法問題と認められず提訴されても棄却されるだろうという見方もある。

 いずれにしろ、性の概念が揺らぎ始め社会が多様化してきたのに法律がそれに対応できていないという現象が顕在化しているのである。

 ■問題発言噴出

 自民党の杉田水脈衆議院議員が月刊誌「新潮45」に寄稿した文章で「LGBTのカップルは子どもをつくらない。生産性がない人たちに税金を使うのはどうか」という趣旨の発言をしたために同誌が廃刊に追い込まれたり、同じく平沢勝栄議員の「同性婚が増えれば国はつぶれる」という発言など差別と批判される言動が問題になっている。

 一方で県内では県立那覇高校がこの3学期から制服の選択制を導入、ズボンかスカートかを事前申請なしで選べるようにした(6日付沖縄タイムス24面)。2016年には那覇市が「パートナーシップ制度」を導入するなどLGBTへの対応も見られる。

 実際に提訴されないと、最終的な判決がいつになるのかは分からないが、LGBTの社会的認知度の高まりとの関連で憲法判断があるのか注目したい。

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