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石垣市の3氏に黄綬 秋の褒章

黄綬褒章を受賞した(右から)伊盛米俊氏、多宇司氏、宮平康弘氏

黄綬褒章を受賞した(右から)伊盛米俊氏、多宇司氏、宮平康弘氏

伊盛、多宇、宮平氏
酪農、畜産、ホテル業で功績

 政府は2018年秋の褒章受章者を2日付で発表した。農業、商業、工業などの業務に精励し、他の模範となるような技術や業績を有する人に贈られる黄綬褒章に石垣市から農業生産法人㈲伊盛牧場代表取締役の伊盛米俊(56)=新川=、農業生産法人㈱とー家ファーム司代表取締役の多宇司(57)=伊原間=、宮平観光㈱会長の宮平康弘(72)=美崎町=の3氏が選ばれた。それぞれ酪農業、畜産業、ホテル業で功績が認められた。県内からは黄綬と藍綬の褒章受章者は7人。

 

 ■伊盛米俊氏(酪農業) 「考えていること形にしたい」

 八重山高校中退後、畜産の道へ。家業は漁業。まったくの畑違い。八重山の島々が見える高台で牧場経営がしたい。夢があった。

 アルバイトを掛け持ちしながら和牛繁殖を開始。その後、本格的に経営に乗り出したが、学校給食で牛乳が足りない状況を受け、29歳で酪農に。暑熱対策を講じるとともに、雌雄判別精液を活用して暑さに強い牛を増やし、粗飼料自給率100%も達成した。

 2010年5月、牛乳の付加価値を高めようと、中学生のころに夢見た地で、ミルクの「ミル」と景色を「見る」を店舗名にしたミルミル本舗を開設、6次産業化を実現した。昨年3月には加工場兼販売施設を完成させ、規模拡大を図っている。

 16年の第65回全国農業コンクールでグランプリと農林水産大臣賞を県内で初めてダブル受賞。翌年の農林水産祭で天皇杯を受けた。

 「生産から加工、販売まで行うのが本当の農業だと思う。改善するところはいっぱいある。今後は薬草の栽培、加工、販売に挑戦したい。賞はもっと頑張れということだと思う。生きている間は、考えていることを形にしていきたい」と意欲は尽きない。

 

 ■多宇司氏(畜産業) 「石垣島を豊かにしたい」

 「石垣島を代表する畜産農家になって、石垣島を豊かにしたい」。八重山農林高校畜産科を経て専門学校で人工授精や受精卵移植の資格を取得。岩手県の畜産研究センターなどで飼養技術を学んだ。

 Uターン後、父親の耕畜複合経営に参加、1987年に引き継いだのを機に肉用牛繁殖専業に。

 99年に家族協定を結び、妻の明子さんと役割分担しながら飼養頭数や草地面積を拡大。電気牧柵を用いて周年放牧を実施、先端技術の哺乳ロボットを導入するなど飼養管理の向上を図り、飼料自給率を高めるなど低コスト生産も実現した。

 明子さんとともに2008年の第12回全国草地畜産コンクールで農林水産大臣賞、農林水産祭では県内初の畜産部門天皇杯を受けた。

 10年から肥育も開始、17年には牧場内の丘に展望デッキ「心呼吸」をオープンさせ、串焼きや牛丼、ハンバーガーなどを提供している。現在繁殖160頭、肥育45頭。

 「長男と長男嫁、長女も経営に加わっている。次男は東京で精肉業に従事、次女は料理学校に通っている。将来は家族一丸となって6次産業化を手がけたい」と思い描く。

 

 ■宮平康弘氏(ホテル業) 「八重山観光の確立を」

 「家業から企業へ、産業へ」。1973年、那覇地検を退職して義父母が営む「宮平観光」に就職、専務取締役として宮平観光ホテルを任された。同時に八重山観光協会(現石垣市観光交流協会)の理事に就任した。

 当時は本土復帰の翌年。観光客数は年間4万人に満たず、「観光」が口の端に上らない時代。75年の沖縄海洋博覧会をチャンス到来と見込んで43室から71室に増築したが、読みは外れた。

 観光客は八重山まで足を延ばさず、「『八重山観光』を確立しなければならない」との思いを強くする。その後、観光協会の役員としてインフラ整備の促進、観光客誘致に取り組むなど八重山観光をけん引してきた。

 地元資本ホテルとして生き残るため、関連する会社を立ち上げてグループ化。現在、7社280人の従業員を雇用する。ことし6月に新館建設を完了、最大572人収容可能な253室に拡大した。

 「観光産業は認められつつあるが、給与や労働条件をみるとまだ道半ば。全国並みの産業化には至っていない。もっと良くしていかなければならない」と気を引き締める。

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