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事務拒否は主権の侵害

「県民投票」反対に疑問

 米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡り公有水面埋め立ての賛否を問う県民投票条例案に石垣市議会が反対の意見書を可決し、波紋を広げている。県知事選、豊見城、那覇市長選で3連勝と勢いづく「オール沖縄」勢力の上げ潮ムードに水を差したつもりだろうか。

 ■10万人が署名

 県民投票は特定の問題について県民自身が投票という形で直接、意思を表明し政治に反映させようという趣旨で実施される。つまり、今回に関していいえば辺野古の埋め立てに絞って県民の意思を聞いてみようということである。わたしたちは通常、選挙区ごとに選ばれた県議会議員を通じて県政に参加しているが、この問題だけは議員任せにせず自ら意思を表明したいというときに行使できる権利なのである。直接請求権といわれるゆえんである。

 運動を進めてきたのは若者や弁護士、芸術家などでつくる「『辺野古』県民投票の会」(元山仁士郎代表)である。去る5月23日に署名活動を始め、 2カ月で条例案請求に必要な数を大幅に上回る10万人余の署名を集めた。うち9万3000人分が有効と認められている。 石垣市でも2200人分の署名が集められている。

 ■26日にも成立            

 その県民投票条例案に対して市議会与党が反対した。理由は「本来の目的から逸脱して一定の政治的主義主張を公費を使用して訴える手段となっている」というのだ。県民投票にかける問題で政治的でないものがあるのだろうか。これでは県民投票の趣旨そのものを否定しているとしか思えない。意味がよく分からないというのが正直なところである。そればかりではない。特定の政治課題に県民自らが意思表示をする機会を奪うことになる。それは主権の侵害ではないか。 

 県議会では投票の仕方でも与野党対立があった。埋め立ての賛否のみ、つまり2択で問う原案や与党案に対して野党自公案は、それに加え「やむを得ない」「どちらでもない」の4択を提案している。県議会米軍基地関係特別委員会はきょう24日にも採択、26日の本会議で可決成立する見通しとなっている。

 条例案が可決、制定されれば各市町村でその事務が進められる。県によるとこれまでに全41市町村のうち35市町村が同意したが、6市町村が保留している。その一つが石垣市であり、保留の市町村で議会が反対の意思を表明しているのは石垣市だけなのである。それだけに県は他の市町村への影響を憂慮している。 

 ■県議会も議論

 石垣市議会の反対意見書採択問題は22日の県議会一般質問でも取り上げられ池田竹州知事公室長が「一市町村で事務が行われない場合でも、(他市町村で投票を)実施することになる」と述べている。謝花喜一郎副知事は「決議は承知しているが、直接民主制度の趣旨から全県民が県民投票に取り組んでもらえることが本来の民主政治の在り方だ」と述べている(23日付沖縄タイムス)。

 市議会与党の今回の対応は来るべき平得大俣地域への陸上自衛隊配備計画に対する住民投票をけん制するものとの見方がある。市の良識ある対応を促したい。

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