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異常事態の与那国町議会

町民からは、恥や解散の声

 ■専決処分は議員の恥

 9月28日に開会した9月定例与那国町議会が異常な事態に陥っている。

 5対5と同数の与野党が、議会運営を有利に進めるため、採決に加わらない議長職を譲り合う膠着(こうちゃく)状態が続いている。地方自治法で同数の場合くじ引きが行われ、60回以上行ったが、双方が辞退し、一歩も譲らない姿勢だ。

 当選後の辞退については地方自治法にも規定がなく、与野党同数になれば辞退戦略で議会の空転は避けられないのが現状だ。

 議長が誕生しなければ議案審議にも入れず、当然、一般質問もできない。全国町村議会議長会も例がないと驚きを隠さない。

 町側は今議会で一般会計予算の補正額6億8088万9000円の上程を予定していたが、防災無線のデジタル化3億円、新庁舎建設の設計発注支援業務1000万円、議員増に伴う議員報酬742万2000円などの補正額に修正した。

 外間町長は12日、再編成した補正予算を緊急性を要する事業として議会の議決を経ない専決処分にした。外間町長は「非常に沈痛な思いをしているが、行政が議会にとやかく言えるものではない。一日も早く正常に戻ってほしい」と述べている。

 行政と議会が相互の権限を侵してはならないとはいえ、外間町長も町政の責任者として事態収拾に尽力すべきではないか。議会は『地方自治法』101条で地方公共団体の長が招集すると規定している。

 ■外間町長の傍観

 外間町長の態度は議会の混乱を傍観しているように思える。このままでは、思いのままに専決処分を繰り返すのではないかと危惧される。議長選出を拒否し、議会が空転すれば、町長が専決処分する。そんな思惑さえあるのではと勘ぐりたくなる。

 町民は外間町政に議会での安定多数を与えなかった。行政と議会のなれあいではなく徹底した議論を求めているはずだ。

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が定例会を招集せず、議長からの招集要請にも応ぜず、期末手当や議員報酬、手数料の引き下げ、その他条例を次々と専決処分して議論を呼んだことは記憶に新しい。

 行政学の板垣勝彦横浜大学准教授によれば、地方自治法は本来、議会の議決案件と執行機関の長の権限を規定しており、相互の権限を侵犯することは許されないという。

 しかし、何らかの理由で議会の議決が得られないが、長が議会のなすべき判断を代わりに行うことで、事態の打開が求められる局面も、現実的には存在する。それが専決処分だという。しかし、それが繰り返されれば議会の存在意義はない。

 ■一日も早い正常化を

 議会は「地方自治法」で①条例を設けまたは改廃すること②予算を定めること③決算を承認する—などを議決すると記されている。議員はこのことを自覚すべきだ。

 慣例からすれば議長は与党から出すべきだ。2014年の議長選挙で野党の崎元俊男氏と与党の糸数健一氏が3票の同数となり、2回目の投票で当選くじを引いた糸数氏が議長を受諾した。その結果、議会は野党多数となったが、糸数氏はそれを承知で慣例に従ったのではないか。糸数氏のような潔さも与党議員には必要だろう。

 与党議員が、議員定数改正時の話を持ち出して辞退することなど無意味。町民のためにはならない。町民からは「与那国町の恥」「議会を解散すべきだ」との厳しい意見も聞こえる。一日も早い正常化を望む。

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