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玉城新知事にのぞむもの

新万国津梁の鐘、響(とよ)ませ

 ■39万票の民意

 台風接近の4日、先の知事選で当選した玉城デニー氏が当選証書を受け、第8代の沖縄県知事に就任した。知事選で玉城氏は過去最多の39万票余を獲得し、自公等の推した佐喜真淳氏に約8万票の差をつけて圧勝した。

 玉城新知事は選挙中、翁長前知事の遺志を受け継ぎ、辺野古新基地建設反対を明確にし、普天間飛行場の即時閉鎖、一日も早い返還を訴えた。また、日米地位協定の抜本的改定も公約した。

 しかし、政府は辺野古埋め立てをこれまで通り推進する立場だ。3日には日米両政府に影響力のあるアーミテージ元国務副長官やジョセフ・ナイ元国防次官補などが「21世紀における日米同盟の刷新」を提案した。対中国や北朝鮮を念頭に、自衛隊と在日米軍の基地の共同使用など、基地のさらなる強化を促す内容である。玉城知事の基地問題解決は前途多難といえるが、39万票の民意を背に毅然(きぜん)と日米両政府に向き合ってほしい。

 重要政策に、こどもの貧困解決を掲げ「待機児童ゼロ」「保育料無料化」「子育て世代支援包括センターの全市町村設置」などを打ち出した。人材育成と社会的投資に力を入れるとも述べた。福祉専門学校を卒業しているだけに、福祉に精通しているのも強みだ。

 経済振興については、アジアのダイナミズムを取り入れ、日本経済をけん引する新たな振興計画を策定するという。付加価値型の観光立県を目指し、観光と他産業の連携、陸空・臨港型の産業の集積、国際医療拠点形成に向けた健康医療分野やバイオ産業の育成も掲げた。

 巨大な中国市場をはじめ、経済的発展を遂げる東南アジア諸国のダイナミズムを沖縄はどう取り入れ発展させるのか。新たな沖縄振興計画に注目したい。

 ■ちむぐくる文化

 世界各国との経済文化交流を促進し、国際都市として沖縄の発信力を高めるための「万国津梁会議」(仮称)の設置や「琉球歴史文化の日」制定も公約した。玉城知事が述べた「うやふぁーふじ(先祖)から受け継いだ、ちむぐくる」に根差したウチナーンチュの精神は豊かなものでありたい。

 就任前、玉城知事は八重山から沖縄本島に進学した学生たちが、安心安全に生活できる環境の支援をすると述べた。本島だけでなく、離島からの石垣市への進学者や、部活等派遣費用の負担等も含めた離島教育支援を強化してほしい。また、八重山には県の文化施設がひとつもない。廃館した県立図書館八重山分館に代わる文化施設の設置も検討すべきだろう。

 ■辺野古の痛みは大俣の痛み

 経済面では好調の観光産業のすそ野を広げ、今ある基盤の充実と支援を約束した。地産地消、加工から販売までの6次産業化を一体化させ、観光従事者を増やしていきたいという。東京オリンピックに向けた観光客増加を見越したようなリゾート建設が計画されている。島嶼における観光産業についての議論が必要だ。

 自衛隊配備問題については、十分な話し合いもない施設の強行建設は断じて認められないと述べている。石垣島への陸自配備問題は沖縄県内の基地問題と同根である。普天間の痛みは辺野古の痛みであり、平得大俣の痛みであることを認識すべきだ。

 福祉や医療面にも力を入れるという。医療福祉は離島住民にとっては死活問題である。伊江島出身の母をもつだけに、離島の痛みはわかるという。頼もしい発言だ。

 玉城新知事の八重山に対する支援に期待したい。

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