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陸自配備計画 水質汚染回避へ環境アセス実施を

「宮良川水系の水量や水質への影響を回避するために環境アセスメントが不可欠」と訴える右から桜井国俊、渡久山章名誉教授。左は東田盛善氏=1日午後、陸自配備予定地近くの民有地

「宮良川水系の水量や水質への影響を回避するために環境アセスメントが不可欠」と訴える右から桜井国俊、渡久山章名誉教授。左は東田盛善氏=1日午後、陸自配備予定地近くの民有地

市に防衛省への要求を提言 県内大学の名誉教授2氏 水系調査で予防訴え

 琉球大学の渡久山章(陸水学、環境化学)、沖縄大学の桜井国俊(環境学)両名誉教授が8月31日午後から1日午前にかけ、防衛省陸上自衛隊の配備先予定地となっている平得大俣地区を起点に、表流水と地下水が流下する宮良川水系の地形・地質・水文環境の調査を実施した。1日午後、予定地近くで会見し、「宮良川水系の表流水、地下水に及ぼす影響を回避するため環境アセスメントが不可欠」として石垣市に対し防衛省にアセスの実施を求めるよう提言、「水は命を支えるもの。ひとたび汚染されてしまえば、元に戻すのは至難の業。予防原則が大事だ」と訴えた。

 島中央部の平得大俣には、於茂登前山を背後にして花こう岩からなるゴルフ場と、南に広がる石灰岩質の平地・湿地があり、石垣島の生成過程をうかがわせる自然科学的・観光資源的にも貴重な地区となっているとして、両名誉教授は「自然科学的・社会科学的諸影響について慎重な判断を行うことが不可欠」との認識を示した。 

 具体的には、土地の改変によって▽宮良川流域の表流水・地下水の流出パターンを従来とは異なるものとする可能性が高い▽同時に軍事基地からどのような化学物質が流出するかは、軍事施設が持つ秘密性のゆえに、島民が容易に知ることができないおそれがある-などと指摘した。

 宮良川流域には上水道の大浜地下第1水源地と同第2水源地があり、同川からはヘーギナーせきで農業用水を取水していることから、「日々の暮らしに不可欠な飲み水の安全、作物の安全の保障は、島民の暮らしを守る上で最重要のことがら」と強調した。

 ただ、20㌶以上の土地の造成を伴う事業を新たに追加した10月1日施行の県環境影響評価条例は、来年3月末までに着工した事業を適用外、同4月1日以降の着工事業を適用としていることから、陸自部隊の施設建設が適用外になる可能性がある。

 これについて提言書は「市の最重要責務が市民の命と暮らしを守ることにあることを踏まえるならば、沖縄防衛局に環境アセスを求めるべきだ。この作業をなしで済ますことは、後々に取り返しのつかないマイナス影響を回避することができず、決して賢い選択とは言えない。来年3月31日以前の駆け込みでの事業実施を容認することは、市民のための行政がとるべき道ではない」としている。

 提言書は3日、石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会を介して市に提出される。

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