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旧盆、各家庭でンカイ

「3日間いっしょに過ごしましょうね」と先祖を迎え入れる冨永さん一家と親類ら=23日夕、字登野城

「3日間いっしょに過ごしましょうね」と先祖を迎え入れる冨永さん一家と親類ら=23日夕、字登野城

大きなしぐさで踊りを披露するいしゃなぎら青年会のアンガマ=23日夜、字石垣の高嶺譲二さん宅

家族そろって祖先の霊供養
きょう波照間でムシャーマ

 旧暦7月13日から15日まで3日間にわたって祖先の霊を供養する旧盆(ソーロン)は23日、家々で迎え(ンカイ)の行事が行われた。仏壇に、目印となる灯籠やちょうちん、つえ(グサン)となるサトウキビのほか果物、粉菓子、ごちそうがところ狭しと並び、家族そろって手を合わせ、あの世(グショー)から先祖を迎え入れた。旧盆期間は三食とおやつを供え、盛大にもてなす。

 この日から各地ではアンガマ、獅子舞、エイサーなど旧盆行事も始まった。中日の24日には波照間島で豊年も祈願する島最大行事ムシャーマ、石垣島北部で明石エイサー祭りが行われる。

 迎え日(ンカイピー)のこの日夕、石垣市登野城の冨永浩吉(ひろよし)さん(62)は市運動公園東方の墓で線香をたむけて「お家に帰ろうね」と語りかけ、それぞれ13年前、4年前に他界した父・實彦(じつげん)さん(享年81)、母・竹子さん(同89)を自宅まで案内した。

 仏前にンカイジューシーのほか八重山そば、刺し身、ミミガーのピーナツあえ、天ぷらなど好物を供え、オードブルも用意した。

 冨永さんと妻の栄子さん(61)、長男夫妻の竜也さん(36)・若子さん(39)、孫の成藍(せいら)さん(16)、礼藍(れいら)さん(12)、悠斗(はると)君(5)、壱斗君(3)らが勢ぞろい。一人一人が香をたて、悠斗君が冨永さんとともに「大きいじーじー、ばーばー、3日間、一緒に過ごそうね」と口上を述べた。

 冨永さんは「おやじは若いときから何十年もアンガマのウシュマイ、ンミーをやってきたので、旧盆には特別が思いがある」と楽しみな様子。栄子さんは「両親が好物だったものを供えたい」と腕を振るうつもりだ。

 竜也さんは「芸能好きだった祖父から太鼓を習ったことがある。小さいときだったので興味はなかったが、昨年から登野城の旗頭、獅子保存会に参加しており、祖父の血かもしれない。旧盆期間は家族でゆっくり過ごし、昔話を聞き、子どもたちにも聞かせたい」と話した。

 

 ■伝統のアンガマ始まる 裏声で珍問答、笑い誘う

 ソーロン(旧盆)入りした23日、郡内各地で、グソー(あの世)から帰ってきたとされるウシュマイ(翁)とンミー(媼)が、大勢のファーマー(子どもや孫)を引き連れて家々を回る伝統行事「アンガマ」が始まった。25日まで続く。

 石垣市石垣の高嶺譲二さん(66)宅では午後7時、いしゃなぎら青年会(玉代勢秀弥会長)のアンガマー一行が来訪。ウシュマイとンミーが仏壇に高々と手を合わせると、ファーマーたちが「うーとーとぅー」と声を合わせた。

 ファーマーらが踊りを次々と披露する幕あいに、ウシュマイとンミーが、グソーから来たことを表す裏声で、見物人と珍問答を繰り広げた。

 「ファーマーの笠の上に七つついているきれいな花は? 私も一つだけつけてもよいか?」との問いに、ウシュマイは「グソー花は四十九日の法要を終えた者だけに与えられる称号。一つで七日。七つなければ駄目」と諭し、家先に集まった人々の笑いを誘っていた。

 アンガマを見るために大阪から孫やひ孫らも駆け付けた高嶺さんは「例年は中日で、仕事の都合で急きょ初めて迎えの日に行ったが、最高の盆が迎えられた。先祖も喜んでいる」と笑顔を見せた。

  • タグ: 旧盆アンガマ
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