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「辺野古唯一」を見直せ

翁長県知事の平和宣言に

 ■緊張緩和の流れに逆行するな

 東アジアの急激な情勢変化にもかかわらず、なぜ20年以上も前の日米合意に基づく辺野古新基地建設に固執するのだろう。普天間から辺野古へ、沖縄県内たらい回しの計画は速やかに見直すべきだ。

 慰霊の日の23日、糸満市摩文仁で沖縄全戦没者追悼式が行われた。膵がんで闘病中の翁長県知事は、黙とうのさいに引き続き平和宣言でも着用していた帽子を脱いだ。

 そのやせ細った姿の痛々しさに多くの県民が言葉を失ったに違いない。

 それでも平和宣言では、日米政府の誤りを明確に述べた。「米朝首脳会談で朝鮮半島情勢の非核化への取り組みや平和体制の構築について、緊張緩和に向けた動きが始まっている」と指摘。

 「辺野古新基地建設は沖縄の基地負担軽減に逆行するばかりか、アジアの緊張緩和の流れにも逆行する」と、辺野古新基地建設を唯一の解決策とする日米政府を指弾した。

 ■計画見直しは当然

 そもそも辺野古移設は、冷戦終結間もない国際情勢下に策定された米軍配置計画に基づく。20年以上も前の情勢認識による計画は見直されて当然だ。

 なぜ現在の米朝首脳会談後の情勢変化を計画見直しの絶好のチャンスととらえないのか。なぜ辺野古が唯一の解決策なのか。なぜ海兵隊常駐が抑止力なのか。

 さらに翁長知事は「辺野古に新基地をつくらせないという私の決意は県民とともにあり、これからもみじんもゆらぐことはありません」と建設阻止への固い決意を示し、参加者の多くの賛同の拍手が響いた。

 これに対し、参列した安倍晋三首相は過去の基地負担軽減策や、慰霊の日直前の流弾事故への政府の対応を強調。例年と大きな変化はなく、かたくなに沖縄の声に耳を傾けようとしない姿勢に終始しているように見えた。

 安倍政権が「国難」と訴えた北朝鮮情勢をはじめとするアジアの安全保障は今、ダイナミックに変化しようとしている。

 非核化実現までの道のりは決して平たんではない。が、トランプ大統領は米韓合同軍事訓練など三つの合同訓練休止を明言し融和を先行させ、さらに、在韓米軍の将来的な縮小、撤退の可能性に言及している。

 このような国際情勢のなか、沖縄だけがいつまでも冷戦終結間もない計画に基づく新基地建設なのだろうか。なぜ政府はこの情勢変化を計画見直しのチャンスとうけとめないのだろうか。

 ■辺野古は基地機能強化

 辺野古新基地は2本のV字型滑走路を持ち、強襲揚陸艦が直接着岸できる。弾薬搭載エリアもある。これは負担軽減ではなく、明らかな基地機能強化である。

 安倍首相は追悼式のあいさつで「できることはすべて行う。沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と語った中身がこれだ。

 振り返れば民主党・鳩山首相の「最低でも県外」を阻止したのは、米側ではなく外務、防衛省を主とする日本政府だった。

 そんな愚かな過ちを繰り返してはならない。国際情勢を的確に判断し今こそ計画見直しに踏み込むべきときだ。

 翁長知事は辺野古基地建設の「承認撤回」を明言している。石垣でも民意を問う県民投票条例請求の署名活動が始まっている。

 埋め立て土砂投入の時期が8月に迫る。まだ間に合う。ジュゴンが泳ぐ大浦湾を埋め立ててはいけない。

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