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尖閣の政治利用をやめよ

衝突回避へ日中通報体制がスタート

 ■戦争の記憶薄れ右傾化進む

 沖縄戦終結の「慰霊の日」を前にした18日の本紙に、県内外各団体の「慰霊塔、維持困難に」「高齢化進み、譲渡も」という記事があった。その傍らには弾道ミサイル防衛システムの「陸上イージスで説明会」「候補地の秋田、山口」の記事もあった。これはまさに今の日本の姿を象徴している。

 戦後73年を経て今の日本は確実に戦争の記憶が薄れる一方で、安倍政権は軍事費を6年連続で5兆円超にまで増やして日米同盟強化で軍備増強を進め、高齢者らは「73年以前の悪夢が再び足音高く迫ってきている」と不安を訴える。しかもその不安は戦争の悲惨さを知らない戦後世代が人口の大半を占め、若者を中心に政治に無関心や右傾化が進んでいることが背景にある。

 それは八重山も同様で、先日の自衛隊配備反対の「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会議」の会合でも戦争の恐ろしさを知らない首相や市長、市議らが国や島のリーダーになっている不安が示されたが、まさに現状はそういう危うい状況に進んでいる。

 だからこそ学校の先生方には大変なことだが沖縄戦の記憶継承、平和学習に頑張っていただきたいと切に願う。

 ■中国は本当に攻めてくるか

 石垣市の意見交換会で陸自配備賛成の市民らは、「自衛隊という抑止力が無ければ中国軍が上陸して占領し、島全体が中国の軍事基地になることはあり得る」と語っていたが、本当に心からそう思っているのだろうか。

 恐らくそう思っていないから、「自衛隊がいれば迅速に災害救助や急患輸送ができるし、人口増や基地事業で島の経済が活性化する」などと島が攻められる危機感と全くかけ離れたそういう悠長な配備論が出てくるのだろう。

 攻めてこないなら自衛隊配備は必要ない。それを安倍政権や推進派は中国や北朝鮮が今にも尖閣や石垣に攻めてくるような不安をあおり、石垣をはじめ南西諸島に自衛隊配備が必要と仕向ける政治利用はやめるべきだ。

 中国が日米を相手に「大戦争」の危険を冒してまで攻めてくるとはとても思えない。もしそれがあるならその理由は一体何なのか。脅威を強調する市長も具体的な説明はなく、単に脅威をあおっているようにしか見えない。

 ■安倍首相も対中融和に

 就任以来しきりに尖閣脅威をあおり中国と敵対してきた安倍首相も、最近は対中融和路線にかじを切り出した。

 去る8日からは尖閣など東シナ海などで自衛隊と中国軍の不測の事態回避に向けた日中両政府の相互通報体制が運用を開始した。防衛当局間の直接対話でトラブルを回避するシステムだ。

 北朝鮮も初の米朝首脳会談を機に東アジアは安定に向け動きだした。そういう安定の流れに逆行し、島を戦争に巻き込み、子や孫たちの未来に危険を及ぼす恐れのある自衛隊配備を強いて市長も市民も認めるべきでない。

 中山市長は今年12月の世界平和の鐘の会設置30周年式典への中国などの大使招聘(しょうへい)に前向きだ。「沖縄戦」を顧みればどういう形であれ二度と戦争はあってはならない。従って抑止力は各国との外交努力を重点とし、自衛隊などの武力に頼るべきでない。

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