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学校の軍事利用にノー

高校生らが「保護宣言」キャンペーン

■日米とも宣言に調印せず

 シリアやアフガニスタン、南スーダンなど世界の紛争国で学校が爆撃や砲撃で破壊される一方、軍や過激派グループに占拠され、教室やグラウンドが軍事利用されている。そして多くの子どもたちや学生、教師たちが殺害、負傷、拉致され拘禁されている。これらはよくテレビでみる生々しい光景だ。

 そういう学校を軍の攻撃や軍事利用から守ろうという「学校保護宣言」が2015年、ジュネーブでの多国間協議で策定され、これまで74ヵ国が調印した。ところが日本は、有事の際は自衛隊が学校を利用することを想定してか、加えてここでも自国の軍隊の行動が縛られることを警戒するアメリカに追従してか共に調印していない。

 そこで日本ではヒューマン・ライツ・ウオッチなど各団体が同保護宣言への調印を呼び掛けて署名運動を展開。これに呼応して東京や長崎の高校生らもキャンペーンを展開している。

 若者の平和運動離れがいわれるが、広島・長崎の「高校生大使」が今年のノーベル賞候補になるなど沖縄をはじめ随所で活動は少なくないようだ。

■沖縄の高校生も署名訴え

 10日後に「慰霊の日」がある沖縄も「鉄の暴風」と言われた73年前の「沖縄戦」で20万人余が犠牲になり、学校は日本軍の兵舎などに軍事利用され、そのため米英軍の標的になった。

 それゆえ戦後は「教え子を再び戦場に送らない」運動も強力に展開されたが、そういう歴史的背景もあって沖縄の高校生たちも同宣言のキャンペーンに立ち上がり、東京や長崎の高校生らと連携し署名を集めているという。

 日本の学校は、常に米軍機の墜落や米軍ヘリからの落下物で命の危険がある沖縄を除き安全安心が当たり前だが、世界の紛争地は数十万人の子どもが教育の機会を奪われ、読み書きできない子どもは日本の3倍に上るという。

 確かに日本が調印したからといって紛争地で学校の軍事利用がすぐなくなるということにはならないだろう。しかし日本もそういう姿勢を示すことで世界の流れも変わって行くはずだ。

■学校で自衛隊の意見交換会

 キャンペーンを展開する高校生たちは、たとえ紛争中であっても学校は子どもたちの未来を育む「聖域」であるべきだとして、世界のすべての子どもたちに安全・安心の教育環境を保障するため、「私たちの力は微力だが無力ではない」として粘り強く日本政府に調印を求めていくとしている。

 そういう日本でも自衛隊に学校を軍事利用させない運動がある中、石垣市が自衛隊配備に対する意見交換会を学校で開催あるいは予定したのは妥当だったのか。市民からは賛否があった。

 安倍政権には今月の沖縄慰霊の日、8月の広島、長崎の原爆投下の日、終戦記念日を控え、二度と戦争を繰り返さないための一層の平和外交が求められるが、現状は逆にしか見えない。

 「世界の全ての子供に教育」を訴える史上最年少17歳のノーベル平和賞受賞者マララさんは「強い国は戦争を生み出す力は強いのに、なぜ平和をもたらすことには弱いでしょうか」と語ったが、それは再び戦時体制に突き進む今の日本を指しているように思える。

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