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「無責任社会」を憂える

認識の甘さ露呈した政治

 ■責めを負うべきは誰か

 管理監督の責めを負うべき政治は誰も責任をとらない。これでは「無責任社会ニッポン」ではないか。

 私たちは子や孫といった将来世代に、分別も責任もある大人としての背中を見せられているか。はなはだ不安である。

 財務省が4日、国有地8億円値引きの疑いのある森友学園への国有地売却問題の調査報告を明らかにした。

 政治家関係者の関与があることを知った当時の佐川理財局長の主導で、学園側との交渉記録を廃棄し、14件の決裁済み公文書を改ざんする方向性を決定付けた。

 これにより、佐川氏に給与減額3カ月相当、事務次官に減額1カ月相当など、20人の処分を発表した。

 前代未聞の不祥事を起こした組織の長として、麻生財務大臣は辞任しかあるまい。それを大臣給与1年分の自主返納で済まし、進退については「私のリーダーシップのもと信頼回復に努める」と続投を表明した。

 認識が甘すぎる。まず、その責めを負うべきは麻生財務大臣である。さすがに与野党双方から批判が出ており、辞任を求める声が絶えない。

 ■首相答弁契機に文書廃棄

 調査報告によれば、公文書改ざんは佐川氏が「政治家関係者の記載のある文書は外に出すべきではない」と発言したことを受け、部下職員が首相夫人に関する記述や国会議員秘書らによる照会記録を削除したもの。

 また、交渉記録廃棄は昨年2月に安倍首相が国会で「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁したことが契機となっており、夫人の名前の入った記録は廃棄された。

 公文書管理法は公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と定義している。改ざんした公文書を国会へ提出したことは、国会と国民をあざむく背信行為、愚行と言わねばなるまい。

 さらには佐川氏国会答弁で「廃棄した」と強弁したことも明らかな虚偽だった。その理財局長を「適材適所」とかばい、国税庁長官に起用したのは誰だったか。

 さらに、麻生財務大臣が記者会見場や国民をあぜんとさせたのは、公文書改ざんの動機を問われ「それが分かりゃ苦労せん」と言い放ったことだ。

 良心の呵責(かしゃく)に耐えかねた近畿財務局の職員が自殺した事態の原因が「分からん」ですむはずがない。良心は痛まないのだろうか。

 改ざんに手を染め、うそをつく大人たちを子どもたちはどう見るだろう。反面教師とするならいいが、言い訳やへ理屈が得意な大人にならないか。心配するのは当然である。

 わが国を代表する企業や大学スポーツ界に、誰も責任を負わない「無責任社会」の闇が広がっていく。

 ■陸自配備受け入れも無責任

 受け入れ表明が近いといわれる石垣への陸自配備。優れて地方自治の課題であるのに、中山市長は一切顧みることなく「安全保障は国の専権事項」と主張してきた。

 国の専権なら市長に受け入れを判断する資格はない。

 血と汗と涙で戦前戦後の4集落を築いてきた人たちの思い、標的となる全域の市民に対し、受け入れ表明は市長として責任のとれることだろうか。

 いったん配備されれば基地は閉鎖されることはない。子や孫の世代にわたって、いわば島の未来について誰が責任を負えるのか。認識が甘く、無責任の極みだ。

 市民は性急な結論など望んでいない。立ち止まって責任の取り方を考えるべきだ。

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