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強引な政治手法に待った

石垣市都計審議会、川平変更案を否決

 ■審議会が不信突きつけ

 建築物の高さ制限を緩和する石垣市の景観地区見直し案は、24日の都市計画審議会(黒嶋克史会長、委員14人)で無記名投票による採決の結果、川平地区は賛成5、反対6で否決され、観音堂地区は逆に賛成6、反対5で可決された。審議会で諮問事項が否決される前代未聞の事態。川平地区の変更案は、地元が一貫して反対を訴えてきたのに地元の声を無視し、変更原案策定の過程も明らかにしないまま審議会に諮った市当局の強引で拙速な姿勢に委員からも不信が突きつけられた形となった。

 この結果を受けて中山市長は28日、川平地区の集落外を現行7㍍以下としている高さ制限の変更手続きを中止。観音堂地区も現行10~15㍍以下とする高さ制限の撤廃を保留し、自治会の意見を聞いて判断することになった。

 高さ制限が緩和されると高層のホテル建設が加速し、国の名勝でミシュラン三つ星の川平湾を中心とする自然や歴史的・文化的景観の“川平ブランド”が損なわれる、として提訴していた川平公民館も安堵(あんど)しただろう。しかし、かつての新石垣空港建設にも重なる強引な石垣市の手法は一体何だったのか。

 ■見直しありきの変更案

 川平では世界各地でホテルを運営する米国大手が県内最大の380室の高級リゾートホテル建設に着手。高さ制限が緩和されれば現在の2階建てを7~8階建てに高層化し、津波時の避難ビルとして活用する計画を進めている。

 そこで川平地区では、国際観光都市や防災を理由とした今回の高さ制限緩和の変更案は同企業に配慮した「見直しありき」と反発を募らせていたが、当事者の川平公民館の要請は反映されなかった。

 市との事前協議で県も昨年12月28日付で「変更原案は良好な風景づくりを目指す都市計画の方針と整合が図られていない」と異議を唱えていたが、これも審議会開催まで明らかにされず、しかも市は「県の回答は事前協議の観点からずれている」などとして変更案の正当性を主張した。

 その強引さと十分な議論もない急ぎ過ぎは、裏に何かあるのではないかと疑念を持たざるを得ない。これでは、行政と民主主義がゆがめられかねない。

 ■新空港は対話の政治で成功

 新石垣空港問題では、地元を無視して強引な「力の政治」で建設を推し進めた西銘、大田両県政が対立や混乱に拍車をかけ破たん。一方で「対話の政治」で建設を進めた稲嶺県政は20年余りも困難を極めた新空港建設を1期4年で解決に導いた。

 川平もかつて現在の高嶺善伸公民館長らが青年時代に猛烈な反対運動でリゾート開発を阻止した経緯があり、今回40年余ぶりに再燃の兆しがあった。

 3期当選を果たした中山市長は、自衛隊の意見交換会のように一見対話の姿勢を装いながら、公民館の頭越しの強引さを露呈させている。市長として集大成の今期は手法を改め、対話の政治に努めるべきだ。 

 ホテルの高層化は、「星空観光」にも影響するなど景観を阻害し、石垣市の観光にとってマイナスとしか思えない。従って観音堂地区も変更を中止すべきだ。

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