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雇用の「質」改善に努めよ

有効求人倍率、40カ月連続1倍超

 ■雇用好調も大半が非正規

 少子・高齢化を背景に全国的に雇用が好調だ。売り手市場の中で今年の大卒や高卒の就職率は過去最高の98%台を占め、入社式には異例の父母を招いてもてなす企業もあったほどだ。

 沖縄も2017年平均の有効求人倍率は1・11倍となり、本土復帰後初めて1倍を超え、4年連続で過去最高を更新した。八重山も同年平均の有効求人倍率は1・52倍となり、過去最高を更新した。ことし3月は1・59倍となっており1倍超は40カ月連続という。

 八重山は新空港開港後の好調な観光が如実に雇用に表れた。この結果各分野で人手不足が深刻化し、外国人労働者を雇い入れた企業も少なくない。

 一方で県全体がそうだが、求人は依然としてパートや契約社員など非正規雇用が多数を占め、八重山も正社員の求人はわずか25%程度と少なかった。従業員の待遇改善や正社員化など、従来の課題である雇用の「質」改善はまだまだ不十分というのが現状だ。

 ■無期雇用に転換の企業も

 ただその中にあって人手不足対策や人材確保の面から時給や給与を引き上げたり、ことし4月からの無期転換ルール開始を機に、5年以上働くパートや契約社員などの非正規労働者を定年まで勤められる無期雇用に切り替えたり、正社員化した企業も少なくない。  県内の求人情報誌によると昨年後半の平均時給は、前年比30円アップし過去最高の893円になったという。特に観光関連は63円もアップした。ただ中には新規募集の時給だけ引き上げ、既存の従業員は据え置いて反発を招いている例もあるという。

 無期転換ルールでは、県内の大学は非正規教員や職員の多さに驚かされたが、すべてが無期雇用に転換したのはさすが「学問の府」と言えるだろう。一方で八重山では労基法で定める賃金や労働時間などの労働条件を従業員に書面で明示する義務違反が全国の2倍余の24・8%と多いのに驚いた。各企業は書面明示を徹底すべきだ。

 経済が好調な今だからこそ各企業や事業所は景気の好循環のため待遇改善の流れをもっと進めるべきだ。

 ■県が正社員化に助成金

 若者だけでなく一家の大黒柱も非正規労働者という低賃金の雇用や生活の不安定さが、貧困関連で全国ワーストになっていることは周知の通りだ。

 こうした沖縄の負の連鎖を打破する雇用の「質」改善のため、県も正規雇用化サポート事業を展開。昨年は22社参加で94人が正社員になったという。

 そして今年からは新たに正社員雇用拡大助成事業も開始。35歳未満の若者を正社員にすれば1人当たり60万円助成するという。各企業は国や県の制度を積極的に活用し正社員化すべきだ。

 少子化の進行で今後も人手不足は必至だ。従来のように非正規労働者を雇用の調整弁にして「使い捨て」するような企業は、人材確保どころか社員は辞め、倒産にすら追い込まれかねない。

 人手不足の中、労働者も働きながら労働条件の良い仕事を探している。各企業が働きやすい職場づくりを怠り、また石垣市などの行政や各業界団体が人手不足を放置すれば、労働者はより良い条件を求めて郡外に流出し、今の好景気は足をすくわれかねない。

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