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名実共に「戦争する国」に

自衛隊明記で「戦力不保持」が空文化

 ■9条改憲は賛否が拮抗?

 3月25日の党大会で安倍首相が悲願とする「憲法改正」の新たな自民党案がまとまった。▽「自衛隊」明記▽緊急事態条項創設▽教育の充実▽参院の合区解消ーの4項目だ。そこで施行から71年目を迎えるあす3日の「憲法記念日」を前に同案の危うさを問う。

 先月下旬の共同通信の憲法世論調査では、4項目すべてで「必要ない」の否定的意見が、「必要」の賛成を上回り、さらに安倍政権の下での改憲に61%が反対し、賛成は38%だった。ただし9条に「自衛隊」明記は必要ない46%、必要44%と拮抗した。

 緊急事態条項に関してはヒトラーの独裁につながったとの警戒感があり、教育の充実も当初の目玉の「教育の無償化」が消え、参院の合区解消も改憲するほど大きな課題でないことが否定的な回答になったと見られる。

 ■首相に改憲主導の資格なし

 その中で賛否が拮抗する9条改正は「戦争放棄」の1項と「戦力不保持」の2項を残して、安倍首相が突然提案した「自衛隊」を新たに明記するというものだ。その9条改正の必要なしは戦争放棄で平和が保たれている42%、改正されると軍拡になるが32%。

 逆に改正の必要ありは北朝鮮や中国の脅威が61%、自衛隊の違憲指摘があるからが22%だが、一方でその中には自衛隊の海外での活動拡大に歯止めをかけるためとする護憲的改憲も24%あり、拮抗の中身はかなり変わる。

 それより何より安倍首相に改憲を主導する資格があるだろうか。それは森友学園や加計学園をめぐる公文書改ざんやごみ排出の口裏合わせ、文科省事務次官のセクハラ、自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)問題など自らや夫人の昭恵さんの関与も含めて問題が噴出し、急落する内閣支持率の調査でも大多数が「首相が信頼できない」としているからだ。

 これらは「政治の私物化」ともいえる民主主義の土台を壊す国民への重大な背信行為ともいえるものであり、そのような政権に国の最高法規である、しかも権力を縛る憲法改正論議を主導する資格があるとはとても思えない。

 ■9条は命を守る防波堤

 それにしても戦争放棄や戦力不保持を言いつつ、明らかに軍隊の自衛隊を明記するのは世界で通用しない矛盾であり疑問だ。何より自衛隊は「安保関連法」で既に戦争できる軍隊に変質。そこに加えて憲法に自衛隊を明記すれば9条は空文化し、日本は名実ともに「戦争する国」として日米で戦争する可能性がさらに高まるだろう。それは報復の危険が増すことでもある。

 戦後73年間日本は9条の下、誰一人戦争で犠牲者を出さなかったのは厳然たる事実だ。世界で最も「平和主義」が似合う日本は、9条改憲で戦前回帰と軍拡に向かう今の安倍政権では難しいが、国民の命の防波堤を死守し「世界平和の旗手」の道を歩むべきだ。

 その安倍首相は3分の2の改憲勢力を確保する今をおいてチャンスはないと年内発議を急ぐ。しかし首相が改憲に利用する北朝鮮脅威は南北会談や米朝会談で急転融和に動き、中国とも関係改善に向かっている。従って改憲の前に首相がやるべきは、保身と政権延命のため噴出している今の疑惑の真相と責任の所在を明確にすることだ。 

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