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配本中止の「中学副読本」を新装丁

石垣市教育委員会が発行した中学校用副読本。執筆者が「八重山を学ぶ」にタイトルを変え、5月中旬ごろに刊行を予定している

石垣市教育委員会が発行した中学校用副読本。執筆者が「八重山を学ぶ」にタイトルを変え、5月中旬ごろに刊行を予定している

執筆者ら今月刊行へ 「八重山を体系的に網羅」

 石垣市教育委員会が2017年度以降、発刊・配布をしていない中学校用副読本「八重山の歴史と文化・自然」について、執筆者らが5月中旬に沖縄時事出版から刊行を予定していることが分かった。「八重山を学ぶ」とのタイトルで、レイアウトや構成を変えるが、文章の内容に変更はない。刊行委員会(田本由美子代表、12人)が昨年6月ごろから準備を進めてきた。副読本の対応について市教委から「18年度の発刊の予定はない」との回答を受け、刊行に踏み切ることになった。

 副読本は市教委の13、14年の一括交付金事業を活用して編集、発刊したが、「南京事件」「従軍慰安婦」に関する記述をめぐり見解が分かれる事案があるとして17年度以降の継続発刊を見送った経緯がある。

 市教委は、執筆者一同から2月8日付で対応を問われ、4月9日付回答で配本中止の理由について「本事業は2013、14年度の沖縄振興特別推進市町村交付金事業により行われており、すでに終了している」としている。

 田本代表は「市民向けの発行を要望する声が多かった。そのままにしておくのは忍びない。八重山を体系的に学べる本となっており、市民や郡民に読んでもらいたい。中学生にも継続して学んでほしい、八重山の価値を未来につなげたい」と話している。

 自然編で「八重山の生き物たち」を担当した島村賢正氏は「各分野の入門書にもなる。各家庭に一冊置いて、八重山を学んでほしい」。同編で「地形と地質」を執筆した石垣進氏も「私たちは2年間のために書いたつもりはない。これほど体系的に網羅した本はないと思う」と活用に期待する。

 刊行委は5月中に会見し、詳細を説明する。

■「南京事件」「慰安婦」記述

 執筆者「どこに問題が」 市教委対応に今も疑問拭えず

 中学校用副読本「八重山の歴史と文化・自然」で、市教育委員会が見解が分かれるとしているのは「日本軍は敗残兵の一掃を口実に、『南京事件』といわれる一般市民への無差別の虐殺や略奪を行いました」「駐屯部隊には、島外も含めて八重山でおよそ10カ所ほどの慰安所が配置され、朝鮮から連行されてきた女性たちが慰安婦として人権無視の状態に置かれていました」と記述している部分。

 外務省のホームページでは、「南京大虐殺」については被害者の人数を認定することは困難としつつ、「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています」と事実上認めており、従軍慰安婦についても「この問題は当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」としている。

 副読本の執筆者らは「政府の見解と変わらないのに、どこに問題があるのか。記述内容を変更する必要はない」と今も市教委の対応に疑問を拭えないでいる。

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