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孫が病気になったのは、お墓のことが関係してるんじゃないか—。…

 孫が病気になったのは、お墓のことが関係してるんじゃないか—。そう言って悩んでいる人がいたら、まじめに事情を聴こうとする人が八重山には意外と多いのではないか。慰めたり対処法を授けようとしたり。「ウガンブスク(御願不足)だ」と叱る人だっているはずだ▼八重山など沖縄の人たちはお墓や人の死とどう向き合っているのか。「墓の移動」という切り口から研究した成果が「動く墓」(森話社)という本として出版された▼著者の越智郁乃立教大学助教は2001年から16年までの調査で、本島北部から与那国まで歩いている。本島の八重山郷友が生まれ島から墓を移したケースも多数収録。06年には与那国島で洗骨に立ち合い、南風原町に造った新しい墓に改葬する様子を詳しく記録した▼お墓にまつわるあれこれは、笑っていては済まされないことが多い。煩わしい思いを抱えている人もいることだろう▼「動く墓」は、沖縄の人たちがご先祖さまやお墓、自らの生活について語り、そこから沖縄社会の姿を丁寧に読み解いていった作品である▼越智氏は観察者としてのみ振る舞っているわけではない。自らもお墓と向き合わなければならない境遇にある者として筆を進めているパートがあり、科学に裏打ちされた見聞録に温かみを添えている。(松田良孝)

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