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“使い捨て”の発想改めよ

非正規社員の無期雇用転換ルール始まる

 ■5年超の契約社員ら対象

 パートやアルバイト、契約社員や嘱託社員など労働契約期間が半年あるいは1年などと決まっている「有期雇用者」いわゆる非正規労働者を5年以上継続雇用した場合に、本人の申し出により期間の定めがない労働契約にする「無期雇用転換ルール」が今月からスタートした。

 全国的な人手不足を背景に人材確保の面から同ルールのスタートを機に正社員に転換する企業が増える一方で、逆に5年の期間を前に雇用契約を打ち切る「雇い止め」も増加し、労働局の指摘で撤回した企業もある。

 企業は本人が正社員を希望しているのに、契約社員やパートなどの有期労働者を繁忙期などの「雇用の調整弁」にして契約更新を繰り返し、事実上無期雇用している実態がある。

 労働者は企業の生産性向上のためだけの道具でない。働く人にはそれぞれ家族がいて生活があることに思いを寄せ、この際経営者は全国的に横行する非正規労働者を「使い捨て」するような雇用の在り方や発想を改め、せっかくの国や県の助成制度も活用し正社員などに待遇改善すべきだ。

 ■雇用安定のための制度

 有期雇用の契約社員やパートなどは現在、企業側の一方的な都合による急な契約打ち切りの「雇い止め」で突然収入を絶たれる不安がある。こうした不利、不安防止のために労働契約法が改正され、新たにつくられたのがこの「無期雇用転換ルール」だ。

 5年の経過措置を終えて今月から運用されたが、制度はまだまだ周知されていないようだ。そこであらためておさらいすると同制度は有期雇用5年以上の労働者本人から申し出があれば、定年後の再雇用などの特例を除いて企業は無期雇用を拒むことはできない。

 一方で無期雇用したからと言って企業も必ず「正社員」にすべきだということではない。しかし同制度で労働者はいつ雇用を打ち切られるかの不安が解消され、一方で企業も無期雇用にすることで人手不足の中人材が確保しやすくなり、加えて社員の能力向上にもつながりメリットは少なくない。

 ■待遇改善で貧困対策

 観光に支えられて経済も雇用も好調な沖縄だが、しかし相変わらず2人に1人はパートや契約社員などの非正規雇用だ。その雇用形態が全国ワーストの「貧困県」として子どもの貧困率、母子世帯出現率、児童扶養手当受給率、若年出産率、大学進学率、高校中退率などのワースト記録に表れている。

 八重山も同様だが、こうしたワースト記録を無くすには、非正規労働者にもそれぞれ家族がいて生活があることに経営者も思いを寄せ、生活の安定のためこうした非正規労働者を「使い捨て」する雇用を改め、賃上げなどの待遇改善で所得向上を図るべきだ。

 しかも既に人手不足に表れているように少子化で今後も労働力不足は必至だ。企業が発展するには人材確保や育成が必要であり、そのために各企業も正社員化や賃上げなどの待遇改善を進めている。それを罰則がないからとルール違反の「雇い止め」はあってはならず、労働者も万一の場合は泣き寝入りせず、労基署に訴え出るべきだ。

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