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住民投票で最終判断せよ

石垣市長選、中山氏が三つどもえ制し3選

 ■革新の市政奪還ならず

 自衛隊配備の是非が最大の争点になった石垣市長選は、保守系現職の中山義隆氏(50)が、過去2期8年の実績や経済振興などを評価され、大差で三つどもえを制し3選を果たした。

 今回の選挙は自衛隊が配備されると保守地盤の石垣市はますます保守化が強まり、さらに革新系の衰退が懸念されることから、革新系で前市議の宮良操氏(61)は自衛隊配備阻止を前面に強い危機感を持って選挙戦に臨んだ。

 幸いに告示を間近に控えて保守が思わぬ分裂劇を演じ、今回は市政奪還、自衛隊阻止の願ってもないチャンスのはずだった。しかし結果は9500票余という昨年集めた自衛隊反対の署名数も下回る得票に終わり、保守分裂でも敗れた革新側のダメージは大きい。

 特に革新側は昨年の宮古島市、ことしの名護市長選も自衛隊反対や辺野古反対を訴えた候補者が相次いで敗れている。このことは沖縄も安全保障を前面に掲げた選挙戦が限界にあり、革新側が巻き返すには保守のように「経済振興」なども前面にした選挙戦略の練り直しが必要ということを示している。

 それは知事選に向けて宮良氏を支援した「オール沖縄」勢力も同様だ。

 ■永田町対地方の戦い

 これに対し3期目を目指す中山氏は保守分裂で「当選は厳しい」といわれたが、自衛隊配備の最終判断を先送りしたことで、地元市議が自衛隊に反対していた公明党が党中央の枠組みで中山氏を推薦。そこに日本維新の会、幸福実現党も新たに推薦に加わり、過去2期の実績や経済政策などに加えて保守勢力が結集して各組織の総力戦で当初の厳しい見方を覆す圧勝となった。

 特に政府と与党の自公は、同選挙が南西諸島の自衛隊配備と辺野古移設の是非につながる11月の知事選に影響するだけに先月の名護市長選同様、党本部から延べ30人の国会議員らを送り込む総力戦で各業界にテコ入れした。

 しかし地方の選挙に「永田町対地方の選挙」と言われるほどに、政府が何が何でも辺野古移設や自衛隊配備するという権力を挙げて介入することにあらためて安倍政権の怖さを感じる。そういうやり方が正しい住民自治、民主主義のあり方とはとても思えない。

 一方前自民県議の砂川利勝氏(54)は中山氏に反発する市議らが担ぎ出したが、あえて県議を辞めて保守分裂の「共倒れ」の危険を冒してまで出馬する意義を市民に浸透できなかった。

 ■9月の市議選が大きなカギ

 最大の争点だった自衛隊配備に関しては、この選挙で決着が着いたとはいえない。容認の市長自身が最終判断を先送りして争点化を避け、さらに予定地の平得大俣は中山氏の得票を反対が600票弱上回り、民意は依然はっきりしないからだ。民意を明確にするためにも砂川氏が主張したように最終判断は住民投票に委ねるべきだ。

 予定地の市有地売却を決める議会は現在野党が多数を占め、9月の議員選挙が配備是非のカギを握る。少数与党なら計画は宙に浮くか頓挫。多数でも与党の公明は慎重だし、県が新たに20㌶以上の基地造成も対象にする環境アセスも待っている。ハードルは多く、中山氏は強引な推進はやめるべきだ。

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