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今市長選に問われるもの

観光の質、雇用の質、子育て支援など

 ■沖縄観光、ハワイ超え?

 来月11日投開票の石垣市長選は、三つどもえの戦いが日に日に熱を帯びてきた。今回は石垣市の将来を左右する恐れのある自衛隊の配備が最大の争点だが、4年に1度の市長選で問われる課題は当然多い。その大きなものは八重山経済を支え、けん引する観光産業のあり方だ。 

 沖縄の観光客は昨年939万人余でハワイの938万人余を初めて上回った。しかし平均滞在日数、1人当たり消費額はハワイの8・95日、約19万6669円のいずれも半分以下だ。

 八重山も過去最高の138万人余が訪れ、観光消費額も850億円余で過去最高となった。しかしその割に消費額の大半は本土企業などに流れる「ザル経済」で、好調な観光産業の恩恵が八重山郡民に行き渡っているとはいえず、「質」の向上が問われている。

 ■子どもの貧困対策課設置も

 雇用も好調だがその割に非正規が大半を占め、賃金は多小良くなったが、働く人が満足できる「雇用の質」改善にはなっていない。むしろ人手不足で長時間労働も懸念されている。

 一方で「質」より「量」拡大を求めてホテルなどが次々建設され、乱開発で八重山観光の生命線である自然や景観を損ねていないか。人手不足でサービスの低下をきたしていないか観光産業の将来を懸念させる状況もあり、ハワイや京都など国内外の先進地に学び、「ザル経済」も改善されるべきだ。

 絶好調な観光産業の波及効果を所得の向上、生産性の向上、観光産業従事者の働きがいにつなげる必要がある。

働く人の所得が改善されないと沖縄の深刻な「子どもの貧困」も改善できない。子どもの貧困はイコール親の貧困だからだ。石垣市では特に母子世帯の厳しい現状が浮き彫りになった。

 今回の選挙では子どもの貧困対策課を設置して取り組みを示す予定候補者も出てきた。「子どもは社会で育てる」の理念に基づき、予定候補者はまず貧困の元凶の親の所得向上を第一に、子どもの貧困対策や子育てに対するあらゆる支援策をもっと提示すべきだ。

 ■島は総保守化の懸念も

 今回の選挙では新庁舎の設計見直しも争点だ。市は小中学校のクーラー整備のため、全国に1億5000万円の寄付を募っているが、これに対し市民からは豪華な新庁舎の建設費を圧縮して夏の暑さに耐える子どもたちの学習環境をまず優先すべきだの声もある。

 石垣市では5人未満の幼稚園休園問題で農村地区の過疎の厳しさが浮き彫りになった。今の北西部の農村地区は本土からの新たな移住者で支えられている。予定候補者から示されている北西部地区の活性化策は誰が市長になっても推進されるべきだ。

 今回の選挙では島の総保守化を許すかどうかも問われている。当面600人前後だが将来は千人以上の自衛隊員が配備されると石垣は革新が勝てる見込みは薄くなり、政治は必然的に保・革の多様性を失って保守化が進む可能性が強く、革新陣営の懸念は大きい。

 しかも同選挙は11月の県知事選につながるものであり、保・革が総力を挙げた戦いになるのは必至。まさに島の未来と沖縄の行方をかけた選挙であり市民は覚悟をもって選択すべきだ。

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