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台湾のアニメ映画「幸福路上」(宋欣穎監督、2013年)は…

 台湾のアニメ映画「幸福路上」(宋欣穎監督、2013年)は、1975年生まれの主人公が36歳になり、生き方に悩みながら居場所を探す姿を描く。米国人の夫との関係が揺らぐなかで妊娠が分かり、幼いころを懐かしんだり、「今」とのギャップに絶望したりする様子は、台湾のことを知らずともすんなり入ってくる展開だ▼主人公の母語はいわゆる台湾語。しかし、小学校では先生に「方言を使ってはいけません」と言い渡される。台湾の国語である中国語を使え、と。大人になり、ふるさとに帰郷してみて、同級生と台湾語でうまく話ができなくなっている自分に気付く主人公▼台湾は戦後、中華民国が統治するところとなり、教育は中国語で行われることになった。そう言ってしまえば、それまでだが、島クトゥバの今を思い起こさずにはいられないシーンだ▼小学校時代にはもうひとつ重要なエピソードがある。祖母が先住民であることをからかわれて帰宅した主人公に、その祖母が「不一様就是力量」と語りかける▼意訳すると「違いは強みだ」といったところか。民族のことはもちろん、ひとつの言語しか許さない制度へのアンチでもある▼固執せず、柔軟に。強いばかりでなく、しなやかさも。滋味あふれるメッセージに、肩が軽くなる気がした。(松田良孝)

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