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尖閣の荒波沈静化へ

日中が偶発的衝突回避で大筋合意

 ■自衛隊配備必要なし

 「尖閣での衝突回避、日中が大筋合意」と去る6日、各メディアが一斉に報じた。外務省が「正式合意へ進展を得た」と発表したのだ。

 石垣市の行政区域である尖閣諸島周辺は通常でも波が高いが、2012年9月の国有化以降は領有権をめぐり特に波が荒く、石垣市からは4ー6隻の巡視船を繰り出し、連日中国公船とにらみ合う緊張状態が続いている。

 そのため常に偶発的衝突が懸念されてきたが、それが今回の日中「高級事務レベル海洋協議」で、偶発的衝突を回避する「海空連絡メカニズム」設置に大筋合意したというのだ。

 これにより日中間の最大の懸念だった尖閣をめぐる緊張関係が緩和に向けて大きく動き出し、さらに両国の関係改善も加速の見通しとなったのだ。望んでいたことだし大いに歓迎したい。

 石垣市では尖閣をめぐる自衛隊配備で対立と分断が深刻だが、日中の緊張関係が緩和され衝突の危険性が無くなれば、自衛隊配備の必要性も無くなるし、石垣市は関係改善加速と配備断念を国に求めるべきだ。

 ■日中が関係改善に動く

 今回大筋合意した「海空連絡メカニズム」とは、自衛隊と中国軍が接近時の連絡方法などをあらかじめ定め、衝突を防ぐ仕組みという。07年に体制整備で両国の協議が始まったが、その後意見が対立。尖閣で双方にらみ合いが続き、絶えず衝突の不安があった。

 それが今回の海洋協議で「同メカニズムの構築および運用開始に前向きな進展を得た」と言うのだ。同協議では東シナ海でのガス田共同開発でも意思疎通の強化で一致したという。

 これまで日中は安倍政権が中国脅威論をあおって激しく対立してきたが、来年が日中平和友好条約締結40年になることもあり、先月の日中首脳会談を機に双方が関係改善にかじを切り、今回の合意も中国側に、「尖閣をめぐり日本と衝突が起きれば同盟国の米国と戦争になり、中国に何の利益もない」との判断が働いたとの見方がある。

 ■抑止力は武力だけでない

 以前から指摘しているが、中国もたかが尖閣のために日米との戦争は望んでいないし、日中の緊張関係が緩和されれば石垣市に自衛隊配備の必要はない。中山市長は「標的の島」になる不安や市民同士の対立・分断を無くすためにも、親密な間柄の安倍首相らに中国との関係改善加速を訴え、自衛隊配備を断念・撤回すべきだ。

 抑止力は何も自衛隊などの武力だけではない。政治・経済・文化交流などで良好な関係を築くことも大きな抑止力だ。福州市には前市長の子息が県駐在員で赴任している。石垣市も県や浦添市、宜野湾市などと同様中国と交流提携し、関係改善を後押しすべきだ。

 それを逆に中国だけでなく、台湾とも緊張関係を高める尖閣の字名変更を9月議会で明言した市長のタカ派的対応に懸念を示す市民も少なくない。

 中国の安倍政権への不信感は根強いが、それは首相の心がけ次第で関係改善が進むということだ。各国との関係が良好になれば5兆円超の軍事費も、230億円の海保の尖閣警備費もその他の支援に回せる。市長も自衛隊でなくそこを安倍政権に求めるべきだ。

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