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開発と環境保全、重い課題

地元の懸念に寄り添う

 ■白保リゾート混迷か

 白保集落北方で計画されている4階建て、年間10万人の宿泊利用を見込むリゾートホテル開発が、地元公民館や関連団体、世界自然保護基金(WWF)ジャパンの反対により混迷に陥りそうな気配だ。

 反対理由として▽下水道未整備地域で汚水排水によりアオサンゴ群落など周辺海域への影響▽海抜以下の計画地で地下浸透による汚水処理の周辺への影響▽ウミガメ産卵への影響ーが懸念されるとしている。

 開発許可申請はすでに石垣市の事前審査を経て沖縄県が審査中。地元の明確な意思表示はどう反映されるだろうか。

 石垣市は市条例に基づき、開発について不同意の意見を付したという。開発と環境保全は、いずれも重い課題である。市政には地域の懸念に寄り添う姿勢が求められる。

 ■ゴルフ場2計画の違い

 現職市議の逮捕という前代未聞の展開となった伊原間牧場におけるゴルフ場開発計画について考える。

 民有地70㌶、市有地76㌶を含むゴルフ場開発構想について、石垣市は公有財産管理計画において、伊原間牧場を経済的利用や自然環境を保全する区域として難色を示していた。

 伊原間牧場は平久保、久宇良と並んで三大牧場と呼ばれ、地域の農家が牧野組合を組織し、牛馬を放牧してきた歴史的背景がある。

 市有地を管理する上で、計画に基づき市が難色を示したのは理解できる。公費を投入し、団体営草地開発整備事業で基盤整備を進めてきた経緯もある。

 ゴルフ場開発によって、観光名所の玉取崎展望台からの景観が人工構造物で阻害される。牛馬が草をはむ風景こそ望ましい。これもよく理解できる。

 疑問があるのは、もうひとつの開発計画である。なぜ、前勢岳北方におけるゴルフ場・リゾートホテル開発計画は容認されるのか。

 土地利用計画上、伊原間牧場も前勢岳北も農振農用地。外山田を含む前勢岳北も、県肉用牛生産供給公社が八重山の畜産振興のために公費を投入して整備した農地である。市有地も含んでいる。

 公社はその歴史的使命を終えたとして廃止された。が、基盤整備済みの農振農用地がどうして農家ではなく企業に転売されたか。周辺の自然環境保全はもとより、ラムサール条約登録湿地・名蔵アンパルへの影響はないのか。そもそもなぜ、石垣市はこのゴルフ場計画について、当初から積極的に支援しているのか。

 計画の詳細が明らかでない時点で、中山市長自身が「庁内横断的に迅速に処理し、ハードルがクリアできるよう協力する」と明言。2016年度施政方針では「整備に向けて必要な協力をしてまいります」と記し、市が政策として推進することを明示している。

 ゴルフ場整備が不要だとは考えない。将来の八重山を高品質のリゾート地とするためには必要不可欠である。地元の競技人口も多い。だからこそ、なぜ前勢岳北容認なのか。市民の財産である市有地を借地させるのか。果たして環境保全は可能か。市民に対して丁寧に説明してほしい。

 ■川平公民館の懸念は

 その一方で、川平では公民館の反対要請にもかかわらず、石垣市は企業側の求めに応じリゾートホテル計画のための農振除外を認めた。景観保全のための建築物高さ制限にかかる要請にも、規制を廃止する意向だ。

 川平公民館の景観保全の考え方や、開発への懸念には寄り添っていない。まるで特定の開発案件が優遇されているように見えることを危惧する。説明が求められる。

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