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今こそ人材への投資を

持続的発展のための礎

 ■賃金底上げ、喫緊の課題

 観光の活況を背景に、ホテルや飲食、物販など関連業界、建設業を主として第一線で働く人材の確保が難しくなっている。本紙の募集広告を見れば一目瞭然だ。

 原因は賃金をはじめとして、非正規雇用、就業時間や休暇といった雇用環境にある。

 沖縄県の給与水準は、全国平均の8割。低賃金の要因は、非正規雇用率が全国平均38・2%に対し、沖縄県は44・5%と全国一高いこと。正規雇用と非正規の賃金格差は月収で20万円以上にのぼるという。

 新たな最低賃金が今月から施行された。都道府県別に4ランクに分けられ、沖縄県は全国最下位の1時間737円。首位は東京の958円で、その差221円。

 地域間格差はあまりにも大きく、沖縄の給与水準が低い要因となっている。

 また、非正規雇用は、より雇用条件の良い仕事を求める人が多いことから離職率や転職率が高い傾向となるのは当然だ。

 経済状況の良い今だからこそ、すべての職場で人材への投資、賃金底上げが地域の持続的発展のため喫緊の課題である。生活実態に見合う水準へ引き上げることこそ定住条件の確保だろう。

 ■官民とも需要旺盛な建設業

 市内では県立八重山病院などの公共事業に加え、那覇空港第2滑走路供用開始を見越したホテルなどの民間建設工事が相次ぎ、需要は旺盛だ。

 アパートなど共同住宅建築も活発に進められており、建築単価が高止まりする傾向も顕著になっている。若い世代のマイホームの夢もしぼみかねない。

 その要因は、職人の不足および建築資材価格の上昇。特に、型枠、鉄筋、木工大工などの技能労働者不足は深刻という。

 これらのあおりを受け、公共発注工事でも「利益が見込めない」として入札不調が相次いでいる。

 特に八重山のような離島における工事は、職人や資材調達、渡航費、宿泊費など関連経費がかさむ。これらを適正に踏まえた単価と工期設定がなければ、入札辞退が相次ぐ事態に陥る。

 今後とも、新空港国際線ターミナルやエプロン整備、石垣港20万㌧岸壁、公営住宅や石垣市役所建築など公共事業は活発に進められる見通し。

 官民ともに状況改善に向けた対策が急務である。

 ■担い手確保が優先課題

 すべての職場で担い手確保は何より優先すべき深刻な課題である。

 インバウンドで経済が景況な今こそ、各社とも賃金底上げや雇用環境整備はもとより、福利厚生を充実させる企業努力が不可欠である。

 低水準の賃金、非正規といった雇用環境、人材の定着率が低く、すぐに離職する事業所が企業として成長するだろうか。

 中小、零細企業が多いのは八重山だけでなく沖縄県の現実。それでもなお、職場の改善は経営者の役割だろう。頑張って働き、処遇が良くなるなら従業員のモチベーションは間違いなく上がる。資格取得やスキルアップも必要だ。

 総選挙のさなかである。

 地域間格差を認める最低賃金体系は、どう考えてもおかしい。コンビニは全国一律の商品価格。同一労働なのに従業員の給与は東京が高く、地方は安い。こんな理不尽があろうか。

 「地方創成」や「働き方改革」は、掛け声だけで何ひとつ機能していない。教育無償化を言う前に、地方に住む国民の暮らしの底上げを。地域間格差是正、それこそが必要だろう。放置することは許されない。

 人こそ資本、人を大事にしない社会も企業も永続しない。全国で、地域全体で考えるべき課題である。

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