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石垣島のなぎさで思ったこと

豊かな景観・造物主からの贈り物

 ■「島人ぬたから」の宝庫

 時々石垣島の海岸線を歩く。市史編集室刊行『いしがきの地名(1)』を携帯するが、海際から岬や浜、川等の一つ一つを確認しながら進むのは楽しい。せんだって「島人ぬ宝さがし」が話題になったが、石垣島の海岸線は宝のような景観やたたずまいが無数に展開している。美しく延びる砂浜や太古の地殻変動をしのばせる火山岩が荒々しく露頭する海岸、平久保崎や川平石崎、御神崎等の雄大な景観、平野集落西方海岸や白保北海岸のそれぞれ趣が異なるモンパノキの大群落も見応えがある。ノッチに咲くテッポウユリも風情に富んでいたし、トムル崎手前で海鳥の集団の威嚇攻撃に遭ったのも、それはそれで自然の豊かさの証しであった。

 八重山観光が好調だが、それを支える最たるものの一つは海岸線の景観を含む海だろう。北部地区で豊かな自然を生かした地域活性化の動きがあるようだが期待したい。ただ自然保護を前提にしたそれが求められるだろう。

 ■なぎさに下りて来ない旧来市民?

 釣り人や漁業従事者を除くと海岸で見かけるのは圧倒的に県外から移り住んだ人が多い。彼らは家族でキャンプを張ったり、バケツ片手に貝殻を拾ったり、人がめったに分け入らない海岸を若いカップルが犬を連れて散歩したりしていた。宮良と白保間のリーフではクバ笠をかぶり、モンペに地下足袋を履いた若い女性を見た。大小のもりを肩に掛け、背筋を伸ばしたいでたちはさっそうとしていたので、何が取れますかと聞くと、タコですとあか抜けた声で答えた。地元のタコ捕り名人に弟子入りしたのかもしれないと思った。以上のようなことは海が好きで移り住んだ人も多いのだろうからさもありなんと言えなくもないが、元からの市民の姿があまりに少ないように感じます。

 伊野田北の海岸で、妻が石垣島出身だという男性にどこに行かれますかと聞かれたので大野崎越を話すと、どちらから来られたのですかとまたまた聞くので、地元ですと答えると、島外からの人がそうするのは珍しくないが、地元の方とは珍しいと言われた。

 ■学習教材に、珠玉の原風景づくりに

 海岸線は学習教材の宝庫でもある。例えば岩石。海岸に蟠踞(ばんきょ)したり、転がったり、他の岩に潜り込んだりしている。比較的近場の屋良部崎周辺や、飛行場北海岸にも幾種もの個性的なそれが自己主張するように露出しているので容易に観察できる。あるいはドライブがてら思い思いの海岸線を絵に描かせたり、写真を撮らせたりするのもいいだろう。情操の養成にも働くだろうし、豊かな景観を目に焼き付けて原風景の一つに加えるのも意義あるだろう。また魅力的な自然を味わわせることで郷土愛は深まり、石垣島をさらに誇れるようになるのではなかろうか。

 ところで海岸線の保全に向けた一層の取り組みも喫緊の課題だろう。ペットボトルや漁具の浮き球等漂着ごみはおびただしいし、砂浜のわだちも目に余る。一度は砂浜の波打ち際に車を乗り入れ運転席に座ったまま釣りをする不思議な光景も目にした。景観を損ねることにとどまらず、プラスチックの破片や砂浜のわだちが亀の産卵に深刻な影響を及ぼしていると指摘されて久しい。

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