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不信や反発解消に努めよ

外間氏、薄氷踏む僅差で与那国初の4選

■わずか28票差の勝利

 6日に行われた任期満了に伴う与那国町長選は現職の外間守吉氏(67)=自民公認、公明推薦=が、前町議会議長で無所属新人の糸数健一氏(63)を破り、同町初の4選を果たした。

 自衛隊配備後初となる今回の選挙は、革新側が新たな自衛隊票の出現で勝算がないと候補者擁立を断念。保革で争われてきた従来の構図と違い、初の保守分裂選挙となった。

 この選挙では、約200票と言われる自衛隊票と前回選挙で革新候補が獲得した500票の行方が注目された。結果は、外間氏が4選を果たしたものの、票差は前回の47票差をさらに下回る28票差となり、薄氷を踏む勝利となった。

 自衛隊票の行方はつかめないものの、これは、革新票の多くが「反外間」で糸数氏に流れ、白紙投票など無効票も前回の18票が58票に増えたことから、3期12年の外間氏の町政運営への反発、不信、さらには自衛隊配備をめぐる分断の溝の深さを示すものとなった。

■議会も少数与党に

 議会勢力も糸数氏の後継候補が今回無投票当選したことから革新2氏を加えて野党4、与党2の少数与党となり、自らが集大成という4期目は厳しい船出を強いられることになる。

 外間氏は当選インタビューで、薄氷を踏む勝利になったことについて「長期政権と自衛隊を強引に誘致したことへの批判であり、今後は反対派の声にも耳を傾け、議会も野党の皆さんと一緒になった島づくりを目指す」と謙虚に語っていた。

 確かに「ワンマン、独裁、公平公正を欠く町政運営」と批判された。集大成の4期目はその批判にていねいに応え、さらに公約の確実な実行で誰もが安心して子育てできるまちづくりが求められる。

 公約としては、エコアイランド構想をはじめとするICTを活用した通信制高校の創設、幼稚園の保育料無料化、妊産婦渡航費助成の拡大、水道料金の基本料無料化、堆肥センター整備、妊産婦渡航費助成拡大などを挙げている。

 一方、人口は自衛隊誘致で増えたが、「15の春」で人口は確実に減り続けており、島の最大の課題は依然として残る。この自衛隊に関しては防衛機密を理由に今後町民らに内緒で組織の拡充や米軍との連携の恐れもあり、厳重な監視体制が必要だが、どうなるのだろう。

■市長選にも影響する自衛隊

 ところで今町長選は、石垣市民からもいつになく注目された。八重山3市町長は現在すべて保守系だが、昨年の竹富町長選では中山氏、外間氏とも西大舛氏に積極的支援はなく、与那国町長選は中山氏が外間氏、西大舛氏が糸数氏をそれぞれ支援し、対応が割れたからだ。こうした三すくみの支援の在り方は来年の市長選に全く影響無しとはいえないだろう。

 一方、自衛隊が配備されると石垣市の各種選挙も革新側は不利になることが今回の選挙でほぼ証明された。500~600人の隊員票に家族を加えて1000票以上の自衛隊票は保守側に有利になり、配備後自衛隊が2000~3000人に増強されると、革新側は与那国同様、市長選に候補者を擁立できない恐れも出てくる。政治の多様性を確保する上からも自衛隊配備問題は石垣市にとって大きな分岐点となる。

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