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相次ぐ開発計画に危機感

八重山観光の基本の自然景観守れますか

 ■各地域で反対運動

 新石垣空港開港以降の好調な観光と、近い将来の西表島の世界遺産登録を当て込んだ大型ホテルやゴルフ場付きリゾート施設の各種開発計画が相次いでいる。空港へのアクセス道路の整備、自衛隊の”ミサイル基地“の配備手続きも進んでいる。

 こうした計画はいずれも島の自然景観や人々の平穏な暮らしを壊し、石垣らしさ、八重山らしさを失わせるものだとして、それぞれの地域では反対運動に発展しており、22日は各地域の代表らが意見交換を行った。

 参加団体は、いずれも地域内で大型ホテルが計画される川平、白保、竹富の各公民館関係者、自衛隊のミサイル基地反対市民連絡会、ゴルフ場建設反対のアンパルの自然を守る会などだ。

 各団体代表らからは危機感が示されたが、肝心の行政は、開発業者が法令にのっとって手続きをクリアすれば無力である。果たしてそれで八重山観光の基本である八重山らしい自然景観や文化は守れるだろうか、非常に危惧される。

 ■自衛隊予定地に保護種

 開発の問題点は、大型ホテルなど観光施設が景勝地に建設されることになる。これが風景や自然を壊し、水問題や排水処理などの新たな問題も引き起こすなど、周辺の人々の暮らしを乱すことにつながる。川平では高層ホテルは集落の原風景の破壊、白保ではサンゴ礁への影響などが懸念されている。

 自衛隊配備予定の平得大俣は、市の自然環境保全条例に基づき保全種に指定されているカエルやランなど貴重な動植物の存在が明らかにされた。自衛隊基地建設は、これら自然環境を破壊するだけでなく、農業や風景、暮らしも大きく変えるものだ。

 市はゴルフ場建設を後押ししているほか、自衛隊や大型ホテルも容認する方向だ。旧大浜町浄水場跡の文化財指定も、空港へのアクセス道路を優先して否定するなど、開発に前のめりの感がある。住民や地域が猛烈に反対しても、法的手続きをクリアすれば行政も業者に歯止めがかけられないのが現状だ。そこで、住民が、行政や業者の開発にストップをかける仕組みづくりが必要だ。

 ■誰のための経済開発?

 自然保護関係者によれば今の開発ラッシュは、10年前の風景条例制定当時を思い起こさせるという。当時も今と同じように観光客や移住者が増えて開発ラッシュになり、そこで八重山らしい自然景観や文化を守るため石垣市の風景条例が制定されたのだ。

 しかし当時も今もそうだが、120万人余に増えた観光客も大半が本土の人なら、地元でそれを受け入れるホテルも飲食店も大半が郡外資本の本土の人々というありようには、「一体誰のための経済開発か」と大いに疑問を感じる。いわゆる「ザル経済」にだ。

 我喜屋隆市商工会長と高嶺良晴市観光交流協会長も市政70周年インタビューで「観光消費額が島外に流出しており、これをいかに地元に循環させ所得を上げるかだ」と語っていたが、それなら石垣市も経済界もザル経済脱却の取り組みをもっと強化すべきだ。

 特に中山市長には、開発反対の声にも耳を傾けてもらいたい。「経済開発優先」は、むしろ八重山の観光と自立経済に逆行するものになりかねない。

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