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「こんな人たち」への共感

支持率急落と歴史的惨敗

■政権にすさまじい逆風

 安倍政権の支持率が急落している。東京都議選の歴史的惨敗に続き、全国紙やNHKなど主要メディアの世論調査で、軒並み「不支持」が「支持」を大幅に上回った。

 都議選最終日、初の街頭演説にたった首相は、一部聴衆からの「帰れ」「辞めろ」コールに激高し、敵意をむき出しに「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と指さした。

 仮にも主権者たる国民を敵視する行為である。敵か、味方かを峻別し、攻撃的な態度を隠さない。首相本人の個性に由来するこの場面は繰り返しテレビで報道され、都議選惨敗の一因となっただけでなく、支持率急落の大きな原因となった。

 「安倍一強」の力の源泉は高い内閣支持率である。その支持率急落は、「こんな人たち」への国民世論の共感であり、政権へのすさまじい逆風である。

 もとより首相一人の振る舞いだけではなく、タイミング的にいくつもの要因が重なった。

 稲田防衛大臣の「自衛隊として」失言、「魔の2回生」豊田真由子衆院議員の「このハゲーッ」という秘書への暴言・暴行事件、下村幹事長代行への加計学園側からの政治献金。繰り返しテレビで報道され、国民の怒りに火をつけた。

■加計学園疑惑は真相究明を

 最大の要因は、森友・加計学園疑惑。首相本人の関与や忖度(そんたく)の疑惑である。この間の政府の対応は「認めない」「調べない」「謝らない」という、木で鼻をくくるものだった。

 加えて「共謀罪」のように国民の賛否が割れる法案を委員会審査を打ち切る強引な強行採決。「安倍一強」を頼みに説明責任を果たさず、やりたい放題の政権運営に世論が強烈な不信任を突きつけた。

 都議選惨敗後、安倍首相は「真摯(しんし)に説明責任を果たす。わかりやすく丁寧に」と明言した。政権は10日、ようやく衆参両院で7時間に及ぶ閉会中審査に応じたが、首相や補佐官らキーパーソンは不在。

 真相解明にほど遠く、首相の言葉の重みが問われる結果となった。幕引きにはならず、国民世論の怒りは長期政権を揺るがしかねない。野党は引き続き臨時国会の開会を要求している。

 首相は8月初めの内閣改造、党役員人事などで人心一新と、立て直しを図りたい考えのようだが、失敗すればこれが潮目となり政局は流動化するかも知れない。いずれにしても求心力低下は否めない。

 首相本人が出席する予算委員会の閉会中審査にも応じる構えだが、先行きは見通せない。

 自民党内からもベテラン議員を中心に、ようやく政権運営への異論が出はじめている。首相の言う「改憲スケジュール」も不透明感が漂う。

■有権者国民に向き合え

 見透かされているのは首相の説明責任であり、国民に向き合わない姿勢である。国会の委員会審査で切れる、激高する。自らへのヤジには厳しく反応するが、肝心の質問には「印象操作」とかわし、説明しようとしない。

 選挙のさいはアベノミクスのみ主張し、多数を得れば特定秘密保護法、安全保障法制、共謀罪を数の力で押し切り、今度は改憲をめざす強権的手法。いずれも説明責任が果たされたとはいえない。

 一国の首相職にあるものは、すべての国民に責任を有する。有権者の存在を強く意識すべきだ。国民は疑惑の解明を求めている。

 自らの発言どおり「真摯(しんし)に、ていねいに説明責任を果たす」べきだろう。

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