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「観光入域」上限値の検討を

質の高いリゾート地とは

 ■資源、市民生活への懸念

 ことしも八重山観光入域が好調だ。その好調に水を差すつもりはない。が、そろそろ入域客数の受け入れ限界、上限値はどこまでか、検討すべき時期にさしかかっているのではないか。

 市民生活にも観光振興にも欠くことのできない水をはじめ、資源は有限である。島という環境下にある以上、いくらでも湧いて出てくるものではない。

 数の追求こそ優先すべきだとの主張もあるかもしれない。しかしながら、それ以上にグレードの高い、成熟したリゾート地はどうあるべきか。

 地域経済への歩留まりはもとより、資源量と均衡のとれた観光振興のあるべき姿、理想像を模索していくことが必要なのではないか。検討を提案する。

 ■竹富島にみる水事情

 水資源に恵まれない竹富島には、石垣市が海底送水で1日最大500㌧を給水している。既存の高級リゾートは開業以来、竹富町との協定に基づき使用量を1日最大100㌧に抑えているが、島全体で使用量が増加傾向にあるという。

 その竹富島で、温泉施設と観光ホテルの2件の観光開発が計画されている。ホテル開発には島を挙げて反対しているが、事業者はすでに沖縄県の開発許可を得ており予断を許さない。

 石垣市が従来の給水量に抑制したままでは、事業の成功はおぼつかないだろう。竹富島への宿泊客増加は、水が逼迫(ひっぱく)することを意味する。

 現に少雨が続いた2014年、石垣市は1週間の夜間断水を余儀なくされ、竹富島は9日間の夜間断水だった。16年、町は石垣市に給水量増加を打診したが市は難色を示したという。

 少雨はいつでもおこり得る。制限給水も延々と続くわけではない。それでも水資源には限りがある。市民生活への影響が懸念される以上、断水では「グレードの高いリゾート」は成立しない。

 ■進む空・海のインフラ整備

 南ぬ島石垣空港の開港やクルーズ船の増加もあって、観光入域は右肩上がりの増加を続けている。むしろ、減少する要因は見当たらないと言っていい。

 16年の入域客は過去最高の124万8000人。消費額は初めて700億円台を突破した。クルーズ船の寄港も95回を数え、好調さを支えた。その一方で、宿泊や飲食業界での人手不足、インフラ整備など課題も明らかになった。

 八重山ビジターズビューローは、17年の入域客数を131万人に設定、誘客強化で過去最高をめざす。

 沖縄県は、東京オリンピックと那覇空港第2滑走路が供用開始される20年の八重山観光入域客数を150万人に設定している。

 沖縄総合事務局も、石垣港の岸壁に接岸できない大型船に対応するため、現在整備中のクルーズ船専用バースを5万㌧級から20万㌧級へ計画変更し、20年度の供用開始をめざす。

 空路海路のインフラ整備は進む。それに伴い、観光入域も増加が続くだろう。宿泊増で水の需要ははるかに旺盛になる。悩みの種は水資源である。

 現在のクルーズ観光の形態は、朝、上陸して観光あるいはショッピングなどで宿泊を伴わず、夕方には出航する。船が大型化しても、おそらくこの形態は大きく変わらないだろう。

 変わるのは大型船も含めてすべての船舶が接岸可能になること。船舶は接岸して初めて石垣港で給水を受けられる。水道使用量はさらに増加する。

 当然、石垣市水道部も将来を見込んだ水量確保を計画しなければならない。その上で島という環境、キャパシティーに見合った上限値を検討すべき時だ。

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