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デイゴ保護へ天敵活用 ヒメコバチ対策でカタビロコバチ

天敵のデイゴカタビロコバチを放した部屋で育てられたデイゴの苗(県森林資源研究センター提供)

天敵のデイゴカタビロコバチを放した部屋で育てられたデイゴの苗(県森林資源研究センター提供)

天敵のデイゴカタビロコバチを放さなかった部屋の苗。天敵無放飼のデイゴは葉が全て落ちた(県森林資源研究センター提供)

天敵生物のデイゴカタビロコバチ(県森林資源研究センター提供)

県、生物農薬の放飼試験へ

 【那覇】県は6日、デイゴの枯死など深刻な被害を及ぼしているデイゴヒメコバチを防除する取り組みとして、天敵を利用した生物農薬の実用化に向けた調査・研究を本格化したと発表した。島尻勝広農林水産部長は「デイゴの咲くころには沖縄独特の雰囲気があった。大切にされてきた県花が復活し、沖縄らしさが取り戻せれば」と防除技術の確立に期待した。本年度中に野外放飼試験を本島周辺離島で計画しており、県では「環境へのリスクと効果を検証しながら慎重に進めていきたい」としている。

 従来のヒメコバチ対策は、県森林資源研究センターの開発したアトラック液剤の樹幹注入によって行われ、竹富島では島内約100本のデイゴがヒメコバチ侵入以前の開花率に戻るなど成果を上げている。

 一方、県内には約10万本のデイゴが植えられており、2014年の調査では平均開花率が7.5%とヒメコバチ侵入前の02年の54.7%から大幅に悪化。薬剤注入法は効果が高い半面、コストの高さが課題となっている。

 今回、導入される天敵生物のデイゴカタビロコバチは体長2㍉。ハワイでは、すでに生物農薬として活用されており、同センターの殺虫効果試験でもヒメコバチの数を50~60%減らす効果が見られた。

 県内では、ウリミバエを根絶した不妊虫放飼や菊などにつくマメハモグリバエの天敵ハモグリミドリヒメコバチなどが生物農薬として成果を上げており、同センターの寺園隆一所長は「防除技術を確立することでデイゴの花が復活し、観光など地域活性が期待できる」とカタビロコバチの生物農薬登録を目指す。

 新たに外来生物を放つことについては、環境省の「天敵農薬に係る環境影響評価ガイドライン」と農業環境研究所の「環境影響評価試験」などを行っており、在来種への影響はないとしている。

 ヒメコバチは、体長1.5㍉。2005年5月に石垣島で初めて確認された後、1~2年で県内全域に分布を広げた外来種。侵入経路は分かっていない。

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