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子らを「島人ぬ宝」へ誘おう

自然と文化の保存・継承に向け

■自然の宝庫を活用しよう

 ビギンの比嘉栄昇さんが発起人となって始まった「島人ぬ宝さがしプロジェクト」を知り、自らの心に残る自然景観や集落内外のたたずまいを品定めした人もおられたのではなかろうか。誰かの手によって記憶から失われてしまっているかつてのそれに出会えるかもしれないという期待を寄せる人や、まだ見ぬ素晴らしい景観の発掘を心待ちにする向きもあっただろう。

 子どもたちの選んだスポットもあった。地域で存在感を醸す景観に向けられた彼らのまなざしを思うと、ほほえましいし頼もしい。郷土愛はそういうところからも培われるのだろう。

 先日2人の教師が「学級で海辺でキャンプなんて聞こえなくなったね」と話していた。そうだとすると残念だ。海に限らないが、せっかくの豊かな自然だ。その懐でのキャンプや散策等は子どもたちに自然や多様な景観に親しませる良い機会になるはずだ。

■「八重山探検隊」の誠実なお仕事

 豊かな自然をバックボーンにした生活・文化も「島人ぬ宝」である。2年前「八重山探検隊」の皆さんは「郷土学習の手引き」として『八重山探検隊レポート集』を世に出された。「井戸・豊年祭・星・お盆・ハーリー」を取り上げているが、どの「リポート」もイラスト、写真、地図等を効果的に配し、難しい文献や歌謡等は平易な文章に書き改めてあるので読みやすいことこの上ない。多くの聞き取りを織り交ぜたのもアットホームな効果を挙げている。「八重山の星」中の民話も印象的である。農耕や方位に関係する星・星座に先人が意識的であったことがうかがえるし、読み物としても十分に楽しめる。

 このようにこのリポート集は子ども目線で編まれたセンスのいい、使い勝手のいい教材だ。大人からの素晴らしいプレゼントだ。探検隊の皆さんの八重山の文化に寄せる敬意、子どもたちに注ぐ温かいまなざしが思われる。出色の八重山文化入門書だ。学校ではぜひこの「島人ぬ宝」を存分に活用していただきたい。

■手ほどき、導きが大事

 以前子どもアンガマの新聞記事があった。子どもたちのスマムニでの掛け合いは想像するだけでも愉快である。アンガマはユニークで魅力的な行事・宝物だし、八重山文化の母胎であるスマムニは最たる宝物の一つだ。それら宝に触れるには大人の導き、手ほどきが欠かせない。他にも放課後教室や子ども育成会等で民具づくりや三線教室などに取り組んでいる学校、地域があると聞く。ぜひ定着させ、いずれは子どもたちを継承のレベルまで向かわしていただきたい。子どもを主対象としたオモト岳登山や海岸線歩き、自然観察等々のイベントを新聞の誘いなどで目にすると心強い。子どもの参加は必ずしも多くないと聞かされたこともあるが、工夫を凝らし八重山の子どもたちを豊かな自然、豊かな文化の懐へ導いていただきたい。

 それにつけても先の石垣市の中学生向け副読本「八重山の歴史と文化・自然」の刊行・配布の中止はふに落ちないし、残念だ。よそに誇れる素晴らしい出来栄えではないか。市の子どもたちのために再考できないものか。

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