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プライバシー保護は大丈夫か

石垣市が防犯カメラ40台設置へ

 ■国が県内で緊急整備事業

 「監視社会になる」との不安から現在、国会で審議中の「共謀罪」に批判が噴出する中、さらに石垣市をはじめ県内各市町村で国の補助による緊急事業で新たに防犯カメラが導入されることになり、犯罪の抑止効果に期待の一方で「プライバシー保護は大丈夫か。監視社会が強まり、個人の自由な日常生活が脅かされないか」などの懸念が出ている。 ことし後半に40台を設置予定の石垣市は事前に説明会を開いて対象地域の理解を得る予定だが、防犯上必要だからと性急に事業を進めるのでなく、「なぜ必要か」「映像が目的外に悪用される恐れはないのか」など十分に住民合意を得て設置すべきだ。

 その上で防犯カメラを導入した全国の大半の自治体は、情報漏えいや目的外使用を禁ずる運用規定も条例や内規で定めているようであり、その点石垣市も議会や説明会などで論議し、プライバシーや人権、肖像権が侵害されないよう条例や内規を検討すべきだ。

 ■ばらまき批判も

 同事業は昨年4月、沖縄本島のうるま市で発生した元米海兵隊員による20歳の女性暴行殺害事件を受け、「県民の安全安心確保」のため、全額国の補助で急きょ実施されることになった。 防犯カメラと防犯灯設置に総額14億8000万円の事業費が予算化されたが、防犯カメラは県内41市町村中35市町村が導入を要望し、八重山3市町は石垣市が防犯カメラ40台、防犯灯350基、竹富町と与那国町は防犯灯だけそれぞれ85基と40基設置する予定。

 しかし同事業はその後、工事にかかる費用や維持管理費などは市町村負担になることがわかり、防犯カメラは実際の設置数が当初申請の約1400台から半数程度に減ったことから、「事業の必要性や効果なども精査しない政府の基地問題に取り組んでいることをアピールするための財政支出のルールにも反するばらまき」の批判もあり、事業の在り方に疑問もある。

 確かに毎年発生する維持管理費は少なくない負担になるはずだが、それでも石垣市は、市内で空き巣や窃盗が多発。さらに中学のプールに不審者が侵入し各学校から設置要望があるとして「事件事故を未然に防ぎ、安全安心な街づくりのために防犯カメラを役立てたい」と当初申請通り設置を決めた。

 ■「監視社会」に懸念も

 石垣市は15年に美崎町に同自治会の要望で屋外初となる6台の防犯カメラを設置し、竹富町は昨年、各島の港ターミナルなど9カ所に21台を設置したが、今回はそれ以来の導入となる。

 観光客が120万人余に急増する中で犯罪抑止や事件解決に防犯カメラへの期待は高いが、しかしだからと言って小さなまちにあちこち防犯カメラがあることが果たして良いことなのか。それによって市民のプライバシーや肖像権、人権が侵害される「監視社会」になってはならないし、これが「共謀罪」に悪用されることがあってはならない。従って設置に当たっては十分な論議と説明があるべきだ。

 特に自治体の長は国が補助するからと言ってプライバシーを侵害しかねない防犯カメラ導入を無条件で決めたのはどうか。その是非は議会の議論を経るべきでなかったか。

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