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保護増殖事業スタート 国の天然記念物 平久保の「ヤエヤマシタン」

国指定の天然記念物、平久保のヤエヤマシタンの状況を確認する文化庁や県教育庁文化財課の職員たち=4月17日午後(市教委文化財課提供)

国指定の天然記念物、平久保のヤエヤマシタンの状況を確認する文化庁や県教育庁文化財課の職員たち=4月17日午後(市教委文化財課提供)

害虫被害で樹勢に衰え
樹木医の診断後対策検討へ

 国の天然記念物に指定されている平久保のヤエヤマシタン2本の樹勢に衰えが見られることから、石垣市教育委員会文化財課が本年度から、原因を調査し対策を検討する保護増殖事業をスタートさせている。同課と文化庁、県教育庁文化財課の職員ら7人が4月17日から19日にかけて現地を視察、現状を確認したところ、当初、原因とみられていたヤエヤマシタン固有の害虫であるシタンヒメヨコバイ以外にシロアリや南根腐(みなみねぐされ)病など、ほかの原因である可能性が浮上。今後は樹木医の診断を入れて結果を聞いた後、対策を検討していく。

 南根腐病は、硬質のキノコをつくる菌類の一種、シマサルノコシカケが病原菌で、感染すると根腐れを起こし、樹木が枯死する土壌病害。

 市文化財課によると、視察の際に「(南根腐病の)症状が出ているのではないか」との指摘があったほか、シロアリが通る道である蟻道を確認。害虫のシタンヒメヨコバイが葉に付いている様子はなかった。

 事業期間は1年間を予定していたが、指定木2本の周りには派生した木が見られたため、周辺の環境整備や増殖方法を含めて検討するという観点から「可能であれば数年単位で見てもいいのではないか」との指摘もあったという。

 樹木医の診断について同課は「まだ日程は決まっていないが、できるだけ早く着手したい」としている。

【平久保のヤエヤマシタン】

 平久保集落の北西約1㌔㍍の山麓にアカギやウラジロアカメガシワ、リュウキュウハリギリ、モクタチバナ、シマグワ、トゲカズラなどに混ざって自生しており、樹齢は100~150年以上とされている。1972年5月15日に国の天然記念物に指定された。ヤエヤマシタンは中国、インド、マレーシア、ポリネシアなどに分布するマメ科の高木。国内では石垣島だけに自生し、分布の北限となっている。シタンよりも軽くて柔らかく、美しいしま模様を持ち、家具材、建築材、細工物など、古くからさまざまな材料として用いられてきた。かつては豊富に生育していたが乱伐され、明治初期には自生の樹はほぼ姿を消した。

  • タグ: ヤエヤマシタン
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