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観光開発で揺れる竹富島

多くの観光客が訪れる竹富島で人気の水牛車観光。観光シーズンを迎え、受け入れを制限する声は根強い=3月22日午前、竹富島

多くの観光客が訪れる竹富島で人気の水牛車観光。観光シーズンを迎え、受け入れを制限する声は根強い=3月22日午前、竹富島

入島制限(島民)、拡大(業者)要求

 過去3年間、年間約50万人の観光客が訪れている竹富島。集落内には赤瓦の木造住宅に石垣や花で覆われた白砂の道が続き、原風景の残る八重山を代表する観光地だ。新空港開港後、観光需要が大幅に拡大。約360人が住む島に1日平均1300人の観光客が訪れている。好調な観光を背景に企業が島に新たなホテルや温泉施設の計画を加速させ、島民は開発による島独自の景観と生活環境の変化を危惧する。増加する観光客に対して入島制限を設ける声は根強く、「観光」のはざまで揺れる小さな島を歩いた。(砂川孫優記者)

 ■受け入れ限界

 「これ以上観光客が増えると困る」。竹富観光の現状について地元の観光業者はこう語る。

 宿泊・飲食サービス業に従事する住民が多い竹富島だが、人手と施設は少なく、国内外から訪れる観光客の受け入れは限界という。

 島の観光関係者によると、クルーズ観光や国内団体ツアーを取り扱う旅行代理店は離島観光に竹富島を盛り込むが、小規模な受け入れに対して代理店側は「拡大」を要求、島の意向と”外部”に温度差がある。

 ■「量から質」へ転換

 島の将来ビジョンに向けて地元公民館や団体は観光の「量から質」への転換に着手。課題の日帰り観光から着地型観光を模索する一方、増え続ける観光客に入島制限や入島税を求める意見が強くなっている。

 島内で観光業を営む30代男性は「観光は島の産業だが、働き手がいないので需給バランスが崩れている。一定の制限は必要。この先、島がどうあるべきかを真剣に考える時期に来ている」と将来を不安視する。

 一方、好調な観光地の消費を狙い、島外企業による開発の足音も聞こえている。島内で着工した温泉掘削工事に加え、新たなホテル建設計画が火種となって住民の反対運動が大きなうねりとなっている。

 ■島民の声聞いて

 28日夜、島内のまちなみ館で新たなホテル建設計画に反対する決起集会が行われた。竹富島の開発に”待った”をかけようと島内外から約140人が参加。宿泊施設が増えれば受け入れ人数も増える、島民は景観の変化に加えて水問題、そして観光客のさらなる増加を不安視している。

 島に住む高齢者からは「ホテルや温泉計画など、相次ぐ開発に島民が巻き込まれ、左右されて疲れている。過去を振り返っても今が一番つらい」と口にする。

 観光客の受け入れに上勢頭篤公民館長は「1日最大1000人が望ましいが、入島制限には石垣の旅行業者が難色を示している。住民の生活があって観光が成り立つ。行政が仲介役としてわれわれの声を聞いてほしい」と揺れる島民の意見を代弁した。

  • タグ: 竹富島観光客
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