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「合理的配慮」定着化を

障害者差別解消法」施行から1年

 ■鈍い石垣市の対応

 障がいを理由にした差別を禁止し、「合理的配慮」を盛り込んだ「障害者差別解消法」が施行されて今月で1年を迎えた。しかし石垣市の取り組みは中山市長の2017年度施政方針によると、スピード感ある行政運営を強調する割には「17年度は本市職員に向けた『対応要領』を作成するとともに、不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供について市民と共に考える場、啓発活動の場を創出し、障がいのある人もない人も共に暮らせるまちづくりを推進してまいります」と法施行1年は具体的な動きは少なく、対応は鈍い。ことしは「合理的配慮」を根付かせる具体的対応と法の周知を図る広報活動の強化が求められる。

 同法は障がいは個人の心身機能の問題でなく、社会的障壁でつくられているという考え方を背景に2014年に批准された「障害者の権利条約」に基づき、不当な差別禁止と社会の中にあるバリアーを取り除くための「合理的配慮」の提供を役所などの公的機関にもサービス業などの民間企業などにも求めて制定された。

 ■「合理的配慮」とは

 合理的配慮とは、たとえば▽車いす利用者には車いすを持ち上げて入り口まで移動の手助けをしたり、多目的トイレや専用の駐車スペースを使えるようにする▽視覚障がい者には文章を読み上げたり、点字や拡大文字で対応する▽聴覚障がい者には手話や筆談で対応▽知的障がい者には絵や図も活用、わかりやすく説明▽精神障がいがある従業員には本人の負担程度に応じて業務量を調整▽内部障がいや難病の人には疲労や緊張などに配慮し、別室や休憩スペースを設けるーなどのサービスや設備改善をいう。

 不当な差別禁止は公的機関だけでなく民間企業などすべてに及び、合理的配慮は公的機関は義務、民間企業などは努力義務を課している。いずれも罰則はないが、たとえばレストランなどが障がいを理由に入店を拒否したりの差別行為を繰り返した場合などは国が直接指導するという。

 法施行の昨年4月は全国各地で祝賀パレードも行われたが、1年を経た現在自治体や企業、交通機関、商店など公的機関でも民間でも法の周知が進んでいるとはいえないのが現状だ。

 ■市職員向けに「対応要領」

 石垣市は昨年12月、「障がい者のつどい」で差別解消法のブースを設置、さらにことし1月と2月の「広報いしがき」で市民への周知を図ったが、具体的には本年度中に職員向けの「対応要領」を作成し、全庁挙げて差別禁止と「合理的配慮」の提供に乗り出す。

 国は障がい者の相談に対応しながら差別解消を推進する組織として「障害者差別解消支援地域協議会」の設置を各市町村に求めているが、石垣市は既設の「石垣市障がい者自立支援協議会」(小倉隆一会長、15人)の権利擁護部会で対応するという。

 障がいのある人は自ら訴える力が弱い面もあり、障がいがあっても安心して暮らせる共生社会実現に向け法の周知と「合理的配慮」を市民にも町民にもしっかり定着させたい。そしてその一環として昨年4月施行された県の手話言語条例も着実に普及させたい。

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