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与那国配備の二の舞いも

市長表明で自衛隊配備の手続き始まる

■手遅れだった住民投票

 昨年暮れの中山義隆市長の受け入れ表明の真意が見えない中、一方で多くの市民が強く反対する中、防衛省の陸自配備に向けた手続きが具体的に動きだしていることが明らかになった。それは今年1月19日、防衛省の担当者らが石垣市を訪れ、漢那政弘副市長らと手続きの進め方で事前調整していたことが野党議員の追及でわかったのだ。

 そこであらためて懸念されるのが昨年3月、陸自の沿岸監視部隊が配備された与那国の二の舞いにならないかということだ。ことしが正念場だ。

 与那国の配備は最終的に住民投票で決着が図られた形になったが、それまでの間に配備推進の外間守吉町長と多数与党が反対住民請求の住民投票条例を否決の一方、防衛省は土地を取得して工事着手にもこぎつけ、その後の町議選の結果野党多数でようやく実現した住民投票は、工事着工から10ヵ月後とあって後戻りできないほど既成事実化が進み、もはや手遅れだった。

 この結果住民投票は、いまさら反対してもという町民などで配備賛成が多数を占め、昨年3月、戦後初めて八重山群島の一角に軍隊が配備された。

■市長発言は本当か

 石垣市は中山市長の受け入れ表明の真意が物議を醸している。市長は「陸自配備に向けて防衛省の各種手続きの開始を了承しただけで、現時点で受け入れを判断したものでなく、詳細な情報が防衛省から出た中で議論を重ね自分自身も判断したい」というものだ。

 これに対し候補地周辺の公民館など石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会は「真っ赤なうそ。ごまかし」と全く信用していない。先日も指摘したが、あらためてこれまでの市長発言を見ると、「初めから配備ありき」で反対意見に逐一反論はしても、5万市民の市長ながら反対市民に寄り添う発言、姿勢はほとんどみられない。

 まだ最終判断でないというならいったん受け入れ表明を撤回。その上で石垣市として防衛省に詳細な情報を求め議論させるのが筋というものだ。市長発言はむしろこの議論の間に防衛省に次々各種手続きを進めさせ、与那国同様後戻りできないまで既成事実を積み上げるための時間稼ぎの詭弁(きべん)あるいは戦略にもみえる。

■配備前倒しの可能性も

 そこで最も恐れるのは17年度補正予算で用地取得費などが計上され、前倒しで配備が着手されることだ。石垣島のミサイル基地建設は19年度以降の次期中期防で計画されている。

 しかし来春に石垣市長選を控え、安倍政権が容認派の中山市長が在任中に着手をと配備を前倒しの可能性は少なくない。候補地の市有地も5000平方㍍以上、2000万円以上は議会の議決が必要だが、多数与党の現在はそれも容易だ。現に昨年、本土紙に17年度予算に2年前倒しが報道された。

 それを現段階で市長が前倒し計上を認めるなら、それこそ「二枚舌のうそつき」ということになるだろう。

 この結果120万人余の観光客でにぎわう日本最南端の島も、3〜4年後はかつて米英軍の艦砲射撃の標的になった戦時中のような軍事基地になる。子や孫たちの未来のためにそういう危険性のある分断の島にしたくない。

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