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策定の原点忘れるな

石垣市風景計画10年で見直し作業本格化

■石垣島らしさ喪失に危機感

 石垣市が策定から10年を迎える風景計画の見直し作業をスタートさせている。先月末に立ち上げた市民検討会議の議論を踏まえて原案を作成。新年度の2017年度で住民説明会、公告縦覧、公聴会、景観形成審議会などの手続きを経て新たな計画に改定する。

 そこで中山市長をはじめ見直しに関わる公募市民や経済団体代表などの委員の皆さんにくれぐれも求めたいのが、なぜ同計画が策定されたのか、その原点を忘れるな、いま一度当時を振り返ってほしい、ということだ。

 そもそもなぜ石垣市に風景計画が策定されたのか。それは当時の「沖縄ブーム・移住ブーム」にある。NHK朝のテレビ番組「ちゅらさん」などで沖縄や離島が爆発的な人気を呼び、本土から観光客や新たな移住者がどっと押し寄せてきたのだ。

 その結果、市街地をはじめ海岸線の景勝地など島の至る所でマンション建設やリゾート開発、移住者の住宅建設などが虫食い的に進行。中には周囲の景観にマッチしない高層建築物やけばけばしい色の建物などもあって「このままでは石垣島の景観や自然環境はどうなるのか。乱開発で石垣島らしさがなくなり、観光客も来なくなる」とあまりに急激な変化に市民の間から不安や戸惑いが高まったのが始まりだ。

■沖縄で第1号の計画策定

 こうした危機感の中で出てきたのが2005年6月施行の国の「景観法」だ。同年12月、石垣市は早速市民会議を設置して計画策定に着手。翌年1月には県内初の景観行政団体の指定を受けて作業を急ピッチに進め、翌07年6月、石垣島の大切な財産である美しい景観と自然環境を無差別な開発から守り、後世にいつまでも残していくためにと、沖縄で第1号の石垣市風景計画と風景づくり条例、自然環境保全条例がスタートしたのである。

 この間、市議会では「北部地区のリゾート開発に支障が出る」として反対があり、制定そのものが危ぶまれたが、最終的に全議員が無差別に進む開発への危機感を共有して全会一致で可決する“市民総意”の計画・条例となった。

 あれから10年がたち、今回の見直しだ。しかし今回の見直しには、地域内で外資系の大型ホテル建設計画がある川平公民館が「高さ制限維持」を何度も市に要請しているように、「計画や条例が形骸化されるのでは」との警戒感も強い。それは建設産業団体などから大型ホテル建設を見越して高さ制限緩和などで要請があり、市当局も農振地域からの除外などで既に一部これに応え、前向きだからだ。

■自然景観破壊は自殺行為

 石垣市では2013年の新空港開港以来観光客が急増し、新たな移住者も増加しているのに伴い大型ホテルの建設や計画、移住者らの住宅建設などが相次いでいる。ちょうど10年以前の計画策定当時を思わせる状況だ。

 当時と逆に、石垣市が今回の見直しで「自然景観保全」から「経済優先」で開発志向にかじを切ることになればそれは石垣島らしい景観、風景を破壊し、「観光産業」にとって自殺行為になりかねない。なぜ八重山観光が活況なのか原点を見誤ってはならない。

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