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創作八重山舞踊への期待

石垣市民会館30周年公演

■創作新時代へ

 石垣市民会館が創立30周年を記念して「創作八重山舞踊」公演を2月26日市民会館大ホールで開催する。

 これは、「伝統舞踊の保存継承のみならずそれを基に新しい舞踊を創造することによる更なる発展を」を目的としている。

 15演目が演じられる。近年発表された創作舞踊も何点かあるが、今公演に向けての創作が大半を占める。

 公演には地元の舞踊研究所だけでなく、沖縄本島で活躍する舞踊家も参加する。どのような舞踊が見られるか楽しみだ。

 現在、八重山芸能はかってない隆盛を極めているが、半面型の乱れや創作とは名ばかりで、他人の創作に手ぶりをわずかに加えただけで模倣としか思えないような舞踊が創作として発表されたりしている。発表者の振付に対する力量不足とさえ思えるものもある。

■創作は現実との葛藤

 八重山民俗舞踊保存会(大盛和子会長)も結成された。保存継承は当然のことだが、現実と葛藤し時代を超克するような創作舞踊にも取り組んでほしいものだ。

 明治期に成立したと思われる勤王流の22手と呼ばれる舞踊の型を示した本がある。舞踊を分解し一手一振りに名称を付して、踊る心構えを記している。

 作者については確定されていないが、勤王流22手のような書は他に類がなく、知に富んだすぐれた舞踊家であったことがわかる。

 そのような舞踊の手型が八重山に遺されていることに八重山の舞踊家たちは誇ると同時に、その情熱と探求心に学び奮起を望みたい。

 琉球王府時代八重山舞踊の数は少なく、廃藩置県後多くの舞踊が振り付けられた。

 昭和30年代民俗研究者が鷲ぬ鳥節の調査を行ったら16もの振付があったという。

 これらは、琉球芝居や首里や那覇からの寄留者たちの影響もあったであろう。しかし、八重山の人たちのすぐれた感性と美意識によって創作されたものだ。他の節歌も同様に振り付けがあったことと思われる。

 現在の八重山は農業主体の社会から消費社会へ移り、農業も近代化がすすみ、かっての歌や舞踊を生み出した基盤はもう過去のものである。

 そんな中で過去の歌を現代に生かし舞踊を創り上げることは厳しいものがある。

 だが、それはまたいつの時代にもある伝統と現代の世界であろう。芸能の世界でもその課題は避けては通れないものだ。

■求められる斬新と大胆

 現在の八重山芸能はすでに完成され洗練させながら伝承しており、創作もその伝統様式を踏まえて行っている。それゆえ旧態依然で創作に値しないとの批判もある。

 しかし、芸能界における創作はいつも批判と称賛、賛否の対象にさらされる。

 芸能は伝統の型やしきたりを改革や挑戦する者を異端者扱いして排除する。伝統は型の保存を重んじ異端は窮屈な世界からの脱皮と新たな世界を獲得することにある。

 伝統や正統への挑戦なくして芸能の進歩はありえない。極端かも知れないが、NSバレエ団の伝統的な琉球民謡や古典音楽にのせてクラシックバレーの技法を取り入れて踊る「琉球クリエイティブバレー」は斬新さと新鮮さをみせつけた。

 旧来の型や様式も必要だが、殻に閉じこもるだけでなく初の「創作八重山舞踊」への試みは斬新で大胆さがあってもいいだろう。

 このような試みが八重山舞踊界へ一石を投じるものとして初公演に期待したい。

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