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中国は戦争を欲しているか

中山市長の自衛隊受け入れ理由に違和感

■脅威高めたのは誰か

 事実上の自衛隊配備受け入れ表明を受けて沖縄防衛局が早期の配備を中山市長に伝えたことで、石垣はいよいよ日本防衛の「盾」として“自衛隊の町”に変容することが現実のこととして目前に迫ってきた。そこで思うに一地方自治体の長の中山市長に、国を守る「盾」あるいは「防人」として石垣島を差し出す権利があるのだろうかということだ。先の市長選で中山氏に投票した市民がすべてそこまで負託したわけでもなく、住民投票で決めたわけでもないのにだ。 

 そもそも中山市長の受け入れの理由には非常に違和感を覚える。それは尖閣諸島の「国有化」後に中国の脅威が増していることを挙げていることだ。その国有化は市議会の野党議員に言わせれば「中山市長も張本人の一人」だからだ。

 2012年4月17日、訪米中の石原慎太郎都知事がワシントンの講演で、尖閣諸島を東京都が購入することを突然明らかにした。「日本の実効支配をぶっ壊すため過激な行動を始めた中国から尖閣を守るため」が理由だ。

■尖閣国有化に市長も関与

 中山市長は「関係者を通じて聞いていた。市と共同所有の形が望ましい」と1週間後の石原都知事との面談でいち早く「賛同」を伝達。一般からの寄付口座も開設したのだ。

 結局、同問題は石原都知事や中山市長らにあおられて政府が5カ月後の同年9月、3島を20億5000万円で買い上げて国有化。これに中国が大規模な反日デモで抗議するなど激しく反発し、その後、中国公船の領海侵犯など現在の緊張関係の高まりに至っている。

 いわば中山市長らが進めた尖閣国有化が現在の中国の強硬姿勢となったのに、それを安倍政権や市長らは「わが国周辺にかつてない脅威が増している」と今にも中国が攻めてくるような不安をあおり、安保関連法制定や米軍の辺野古新基地建設、南西諸島の自衛隊配備に利用している。そこにご都合主義の矛盾を感じる。

 昨年は34回寄港予定だった中国からのクルーズ船もすべてが宮古にシフトされた。市長や市議会の中国脅威論の言動が原因との見方もある。市長は、自衛隊という武力でなく、民間交流など外交面で尖閣をめぐる中国との緊張緩和に努力し、安倍政権にも求めるべきだ。

■市長は凍結して仕切り直しを

 首相や市長らが不安や脅威を強調する中国は本当に戦争を欲しているだろうか。タカ派以外の多くの識者の見方はノーだ。それは日本やアメリカと戦争を始めたら日米の企業、資本が撤退し、中国国内は大量の失業者で社会不安が激しくなり、共産党政権そのものが危うくなるからだ。

 市長はこれまでシャトルバス運行や新火葬場などで反対の声を受けて対応を見直した。自衛隊もひとまず「凍結」して仕切り直しをしてはどうか。その上で尖閣が中国に奪われる可能性は本当にあるのか、アメリカ一辺倒でなく、なぜ安倍政権が中国などとも仲良くする全方位外交をしないのか熟慮し、最終判断するべきだ。

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